岩盤浴は本当に安全か?タイルから規制値を超える放射線量。

http://japan.techinsight.jp/2009/02/tanaka200902240045.html

2月22日付読売新聞によると、鹿児島労働局は2月21日、ラジウムを混ぜた岩盤浴用タイルの製造元に、作業の停止と、従業員の健康診断受診を求めた。岩盤浴用のタイルからは最大毎時6.25マイクロ・シーベルト、タイルの原料を入れた袋からは最大毎時29.6マイクロ・シーベルトの放射線量が検出されたという。人体に影響を及ぼす量ではないとのことだが、規制値を大きく超える放射線量と聞けば不安はいや増すばかりである。

岩盤浴に使用される石としては、その希少性から幻の天然鉱石とも呼ばれるブラックシリカや、大分県と宮崎県の県境の深山から発見された天照石をはじめ、いくつかの種類が挙げられるが、地底において天然の放射線を放出しているラジウム鉱石も主要な一つに数えられる。

日本では岩盤浴がブームとなるはるか以前から、天然、人工のラジウム温泉が健康によいとされ、親しまれてきている。ラジウムは放射線を放出する放射性元素。当然ながらラジウムを含む温泉に入浴すると被曝するが、温泉中の放射線量は微量であり、人体に悪影響を与えることはないとされている。生物に対して通常有害な作用を示すはずのものが、微量であれば逆に良い作用をもたらしうるという「ホルミシス効果」が、ラジウム温泉の効能を根拠づけているとはいえるだろう。

ラジウム温泉についても、その安全性については種々の意見があり、研究や検証の進展を見守る必要があるが、ラジウム岩盤浴についてはさらに危惧すべき事情がある。岩盤浴では、鉱石に長時間、直接、体を密着させる。温泉浴に比して、多量の放射線量を浴びてしまうことになるのは必定ではないだろうか。

もちろんラジウム岩盤浴についても、人体に悪影響はないという前提で施設の営業は行われているが、臨床データの蓄積があるはずもなく、安全性を信ずるに一点の曇りもないとは言い切れない面がある。そのうえ、今回のような事件があれば「このタイルにも規制値を超える放射線量が?」といった疑いも頭を掠めてしまう。ひところの勢いを失い、数も減った感のある岩盤浴施設。再興はまだまだ先のようである。

(編集部:田中箇)
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by mo_gu_sa | 2009-02-25 11:00 | 温泉一般


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