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母から子へ変わらぬ思い 「天領日田おひなまつり」開幕

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 日田市に春の訪れを告げる「天領日田おひなまつり」は15日、園児らのパレードで開幕。今年は25回目の節目を迎え、ひな人形を展示する家々ではそれぞれの歩みを振り返った。

 草分けとなった草野本家(豆田町)では現在、20代当主草野義輔さん(60)の妻康子さん(53)と長女文子さん(29)らが観光客の案内に追われる。

 江戸時代、桝屋の屋号で掛屋(金融業)、ろうの製造業を営んでいた代々の当主は、京都や大阪に商用で出向いた折、娘の土産に人形を持ち帰った。蔵に保存されていた人形178体を展示、公開するようになったのは先代の妻覚(かく)さん(88)。「古い町並みを生かした地域づくりのために」と、地元の人々から打診を受け、人形の由来や家の歴史を語り始めた。

 草野本家が本格的な公開を始める以前、たまたま虫干しをしていたひな人形を知人と一緒に見たのが康子さん。当時は女子大生だったが、やがて見初められ、嫁いだ。一男二女の子育てがひと段落した18年前、覚さんから「あなたもやってよ」と言われ、手伝い始めた。

 厳格な覚さんからは、人形の並べ替えを一部屋丸ごと命じられたこともあった。「どんどん走っていくお母さんの背中を懸命に追いかけた」。10年前、覚さんが脳梗塞(こうそく)を患い、言葉が不自由になってからは、自らが先頭に立ち、長女文子さんの協力も得て、公開期間を乗り切る。

 康子さんは「子どもの幸せを祈るひなまつり。変わらない親心を、私なりに次の世代に伝えていきたい」と話した。

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 新しい動きもある。昨年に引き続き、昭和の初めに平和への願いを込めて米国から贈られた「青い目の人形」は人力車に乗ってパレード。人形が保管されていた三隈幼稚園(中央)の園児ら100人が、着物姿でJR日田駅前から人形を飾る原次郎左衛門家(中本町)まで笑顔で歩いた。

 人形は、日米関係が悪化したことに心を痛めた宣教師の故シドニー・ギューリックさんが1927年、全米に寄付を呼び掛けて約1万2000体を日本各地に贈った。第2次大戦中に多くが破壊されたが、同幼稚園に2体が保存されていた。

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 中央商店街では今年初めて、住民から不用になった人形を集め、約20組を空き店舗に展示。鹿児島市から訪れた富谷フサエさん(82)、シマ子さん(74)、真由美さん(43)は隈地区から豆田地区に移動する途中に立ち寄り、「じっくり眺められたし、ひと休みできて体も温まりました」。

 温泉入浴券付きの4館共通入場チケットを売り出し始めた隈地区も順調な滑り出し。使わなくなったひな人形を全国から集めて供養、公開している専念寺には台湾からの観光客も訪れた。

【写真】「青い目の人形」を抱き、パレードする三隈幼稚園の子どもたち=JR日田駅付近

=2008/02/16付 西日本新聞朝刊=
by mo_gu_sa | 2008-02-16 00:35 | 大分


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