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県内生まれのユニークなせっけんが人気を集めている。酒造りの過程で出る酒かすを使ったり、温泉水を配合したりと工夫をこらした。どちらの関係者も「長く広く愛されてほしい。山口の文化発信にもつなげたい」と口をそろえる。 純米吟醸酒「獺祭(だっ・さい)」を造る岩国市周東町獺越(おそ・ごえ)の旭酒造は昨年10月から、酒かすを入れた「獺祭せっけん」を販売している。茶色くごつごつした四角いせっけんで、全国30の酒屋で取り扱っている。1個65グラムで630円。 酒かすは、もろみを搾って酒と分けるときに出る副産物で、保湿効果の高い成分が含まれる。昔から杜氏(とう・じ)ら酒蔵関係者は手が白いと言われており、「何とか生かせないかという考えは以前からあった」と桜井博志社長(56)。取締役の妻礼子さん(56)も「酒かすを風呂に入れたり、パックにしたり。昔から酒蔵では肌にいいと伝わっているんです」と話す。 無添加せっけんを作る兵庫県三木市の会社に製造を依頼。6種類の植物油と水を合わせた素地に、遠心分離機で酒と分けたクリーム状の酒かすを加える。油との比率で2%の酒かすが含まれるという。 獺祭は現在、世界12カ国で販売されている。桜井社長は7月にパリである日本酒の試飲会にせっけんも持っていく予定だ。「日本酒のよさを伝えたい。せっけんの反応も楽しみ」と意気込む。 山口市緑町の旅館「山水園」は、園内の地下約500メートルからくみ上げている温泉水を配合したせっけん「山水の花」を作った。丸い形で鏡餅のように硬く、40グラム(600円)と90グラム(1200円)の2種類がある。製造の最終段階で温泉水を練り込む。配合率は約14%。 昨夏、お中元として贈ったところ好評だった。売店に置いているほか、この春からは宿泊客にプレゼントしている。「泡立ちがいい」「肌に優しい」といった声が寄せられているという。 パッケージの文字は安倍首相の母洋子さんの書。湯田温泉ブランドの化粧品を作りたいと夢を語る中野愛子(ちか・こ)社長(66)は「湯田温泉の湯は良質。そのよさを別の形でお客さまに伝えたい」と話す。 下関市の大河内温泉や湯谷温泉でも昨夏から、温泉水を配合したせっけんを販売している。 (山下知子) 【写真】(左)獺祭せっけんを手にする旭酒造の桜井礼子さん=岩国市周東町獺越で (右)「山水の花」を手にする中野愛子社長=山口市緑町で
by mo_gu_sa
| 2007-06-06 10:00
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