http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2208788.article.html
嬉野市塩田町大草野地区の情景を歌った「大草野小唄」と「蛍橋小唄」が、地域の人たちの手で約60年ぶりに復活した。当時の踊り手の証言や写真などの資料を総動員して復元。住民たちは小唄を地域の宝として歌い継ぐことを誓った。 「大草野小唄」は戦中、戦後に「物が何もないのでせめて歌でも」と、地域の会合などのたびに歌われていた。出だしは「世にも名高き大草野の蛍」。茶畑やアユといった豊かな自然とそれを誇りに思う人たちの心意気を歌う。「蛍橋小唄」は嬉野温泉の宿泊客が船を仕立ててホタル見物に訪れる名所を歌ったもの。 小唄は戦後いつしか途絶え、歌詞にある蛍の乱舞もアユの遡上(そじょう)も見られなくなってしまった。「小唄を次の世代にも伝えたい」。当時を知る人の強い要望を受け、地元のまちづくり組織「大草野地区コミュニティ」が、昔の小唄を覚えていた山下ユク子さん(85)の証言を基に、山下さんのめいで、藤間流師範の中野辰子さん(59)が振り付けにアレンジを加えた。 20日に大草野小であったお披露目会では、地元の有志が小唄に合わせて踊りを披露。山下さんは「素晴らしい。貧しくても隣近所で助け合って生きていたあの頃を思い出す」と絶賛。諸岡博子さん(64)は「小唄は地域の宝物。活性化と絆を深めるためにも歌い継いでいきたい」と決意を新たにした。 同コミュニティは昨年7月に人工川を作って幼虫を放流、蛍の再生にも取り組んでいる。夜には蛍火がわずかにともり、間もなく見ごろを迎える。前田弘一会長(70)は「地域一丸で活動する機会をたくさんもうけることで蛍も小唄も守っていきたい」と話す。 【写真】ふるさとの情景を歌った小唄に合わせた踊りを披露する地元住民有志=嬉野市の大草野小 2012年05月20日更新
by mo_gu_sa
| 2012-05-20 15:57
| 佐賀
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