http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20120516-OYT8T01374.htm
江戸時代から続く嬉野市の嬉野温泉の老舗旅館「大村屋」に嫁いだ北川洋子さん(28)が、15代目となる若女将(おかみ)の“修業”に励んでいる。全国的に旅館数の減少などで女将や若女将の成り手が少なくなる中で、「一日も早くお客さんに、一人前の若女将として認めてもらえるようになりたい」と張り切っている。(大野亮二) 洋子さんは、夫で大村屋社長の健太さん(27)と共通の友人の紹介で知り合い、1年間の交際を経て3月に結婚した。結婚式場で働いていた洋子さんにとって、「老舗旅館の女将は、華やかでサービス業の頂点を極めた人」と映り、憧れを抱いていた。 結婚後は早速、近くの寺院でお茶や書道の手ほどきを受ける一方、女将でしゅうとめの節子さん(53)に付き添い、あいさつやお酌の仕方など接客の修業を積む。 大村屋は、江戸時代の天保元年(1830年)に創業した嬉野温泉で一番の歴史を誇る。家族経営で常連客に支えられているため、名前と顔、希望のサービス内容を覚えるのは必須。「信頼関係の根本であり、失礼のないようにしなければ」と責任を痛感する。また、黒子に徹していた結婚式場の仕事とは違い、「堂々と、それでいて出しゃばり過ぎない」という立ち振る舞いに戸惑いを感じる時もある。 それでも、常連客から「もっと自信を持っていいよ」と励まされ、電話応対時は仲居がそばでフォローしてくれる。「みんなに支えてもらっている」という喜びを感じながら、客の出迎えや見送りに取り組む。 厚生労働省の統計では、全国の旅館数は2009年度が約4万9000件、10年度は約4万7000件と減少傾向にある。旅行業界紙を発行する旅行新聞新社(東京)によると、旅館の減少に加え、接客サービスを簡素にして低料金にするチェーン店化が進んでいるため、女将の数は減っているという。 そうした全国的な状況の中で、奮闘する新妻の姿に健太さんは「修業を覚悟して嫁いだことに感謝している」と語り、節子さんも「礼儀や笑顔といった基礎が出来ている。これからの成長が楽しみ」と期待を込める。 【写真】節子さん(左)から花の飾り方を教えてもらう洋子さん (2012年5月17日 読売新聞)
by mo_gu_sa
| 2012-05-17 00:00
| 佐賀
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