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武雄市への行政視察増 「歓楽イメージ」旅館さっぱり

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2176771.article.html武雄市への行政視察増 「歓楽イメージ」旅館さっぱり_e0113829_1161531.jpg

 ユニークな事業を打ち上げ、全国各地の議会から行政視察が絶えない武雄市。宿泊による経済効果も出ているが、市内のビジネスホテルとシティーホテルに集中し、温泉宿に泊まる議会はほとんどない。政務調査費などの公費で泊まるため、「温泉宿は歓楽のイメージがあって報告書に書きにくい」というのが主な理由。くっきりと明暗が分かれ、宿泊施設全体が潤ってほしい市や温泉関係者は困惑している。

 武雄市議会事務局によると、視察は年間10件程度だったが、2006年に樋渡啓祐市長が市長になってから急増。フェイスブック活用やイノシシ対策、レモングラスによる産業振興、病院民営化などを目当てに、10年度は70件、11年度は86件(2月23日現在)と増え続けている。あまりに多くなったため、市議会は昨年10月から市内に宿泊する議会以外の視察は受け入れないことにしたほどだ。

 ただ、宿泊先には偏りが出ている。11年度に宿泊した55団体(377人)のうち、ビジネスホテルが32団体(234人)、シティーホテルが10団体(64人)と全体の76%を占め、温泉宿は宿泊があっても各施設1団体だけだった。

 ビジネスホテルに泊まった愛知県豊橋市議会議員は「今は市民感情が厳しい。政務調査費の使途は情報公開しており、温泉宿では遊びととられかねない。自分のカネなら旅館に泊まるが…」。同じように鳥取市議会議員も「歓楽のイメージでとられたくない。温泉宿で宴会というのは昔の話」という。1泊朝食付き6千~7千円が相場で、「市民の目もあり、安く上げたい」と選択の理由を話す。

 一方で、あえて温泉宿を選んだ兵庫県明石市議会議員は「温泉地の実情を知るのも一つの目的。宿の人から観光の取り組みを聞きたかった。政務調査費の使途を市民に説明できるなら、温泉宿に泊まってもいいはずだ」と言う。

 受け入れる武雄市議会事務局は宿泊施設のあっせんはしておらず、ホームページ上に宿泊リストを載せているだけで、選択は視察先に任せている。「(ビジネスホテルが)駅に近いとか、個室ベッド志向を理由に差がついていると思っていたが、温泉宿のイメージが悪いというのは意外だ」と困惑する。

 武雄温泉旅館組合の田中隆一郎理事長は「残念な傾向。ステレオタイプのイメージだけで温泉宿を捉えてほしくない。今は旅館でも1人1部屋で泊まれる。宿の従業員とのコミュニケーションの中からまちづくりのヒントを得てほしい」と話す。別の温泉旅館は「価格を下げたり、先進的な観光地になるよう関係者がまちづくりとサービスを磨く努力をしなければ」とイメージを変えられるような営業手法の必要性を訴えた。

 前田敏美副市長は「市としてはどこに泊まってもらってもありがたい」としながらも、「武雄は歴史の古い温泉地であり、温泉宿にも泊まってほしい。リピーターになってもらうよう温泉地の魅力をアピールする時間を視察の説明に設けることも検討したい」と話す。

【写真】雄市議会に視察で訪れた明石市議会議員にフェイスブック活用について説明する市職員。行政視察の多さは全国有数ともいわれているが、宿泊先で明暗が分かれている=武雄市役所
by mo_gu_sa | 2012-03-19 10:23 | 佐賀


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