http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1202070007/
慶応大学環境情報学部(藤沢市遠藤)の武藤(たけふじ)佳恭教授(56)が、温泉やろうそくの火など身の回りの廃熱を利用した温度差発電を開発している。災害用のほか、電気が届かない開発途上国などで役立てようと、商品化に向けて実証実験や改良を進めている。 温度差発電は、ソフトウエア開発会社「サイエンスパーク」(座間市)と共同で開発。装置の試作には、県立秦野高等職業技術校も協力している。 温度差発電の開発に着手したのは2007年。温度差を与えることで電圧が生じるペルチェ素子という板状の半導体を用い、素子の両面の温度差を電気エネルギーに変換した。片面に室温を伝え、片面に手を乗せると、微量の電気が生まれる仕組み。室温を伝える際には熱伝導性の高い棒状のヒートパイプを使うことで、効率良く温度差が生じるようにした。 その後、温泉を利用した温度差発電も開発。ペルチェ素子よりも、温度差の電気エネルギー転換に、より適したゼーベック素子を用いた。熱海温泉での実証実験では、温泉水と冷水の温度差80度で5ワットを発電し、温泉旅館の照明などに利用できた。 東日本大震災発生後には、停電時に携帯電話を充電できるよう、ろうそくの火の熱源を利用した2ワットの発電機も開発した。他にも白金カイロやオートバイの排ガスなど、さまざまな熱源を利用できる。 温泉のほか、ドラム缶などを使ったたき火を利用した5ワットの温度差発電も改良中で、「東南アジアの電気が来ない地域で、調理用ストーブを使い、家で料理や食事をしている間を明るくしてあげたい」と武藤教授。日本で停電時にガスの火から電気を起こす温度差発電も商品化を目指している。 【写真】ポットで沸かした湯と水道水による温度差発電でついた照明を持つ武藤教授=藤沢市遠藤の慶応大湘南藤沢キャンパス
by mo_gu_sa
| 2012-02-07 16:05
| 温泉一般
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