http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/oita/20120117-OYS1T00304.htm
由布市湯布院町の湯平温泉で16日、老舗旅館「新屋本家」が全焼した火災で、近くの旅館経営者や住民らは不安げに消火活動を見守った。現場は旅館が狭い坂道にひしめくように並ぶ温泉街。住民らは「延焼しなくて良かった」と胸をなで下ろしながら、防火体制の強化を望んでいた。 湯平温泉は、市西部の山あいに位置する。花合野(かごの)川の切り立った両岸に木造の旅館が密集し、幅2メートルほどの石畳の路地が入り組んでいる。 新屋本家では15日午前中に宿泊客がチェックアウトしており、16日は休業。近くの土産物店主の男性(83)は「もし、宿泊者がいる時間帯の火事なら、大惨事になりかねなかった。風向き次第では燃え広がる可能性もあった」と話した。 市消防署湯布院出張所によると、通報を受けたのは午前9時22分。約20分後に消防車が現地に着いたが、通常1~2分で終わる放水準備が、7分もかかった。これは路地が狭くて大型のポンプ車が現場に近づけず、水をくむ広場から数百メートルにわたって路地にホースを延ばさなければならなかったためという。 一方、地元の旅館経営者ら数人は消防が放水を始めるまでの間、近くの消火栓からホースを延ばして放水し、火を消し止めようとした。しかし、消火栓から出る水には旅館外壁の窓ガラスを割るだけの水圧がなく、火の勢いは増すばかり。石を投げてガラスを割り、放水したが、火力を弱めることはできなかったという。 23施設が加盟する湯平温泉旅館組合の伊東俊泰組合長(60)は「もっと高性能な消火設備があれば、歴史ある旅館を守れたかもしれない。高圧放水ができる可搬ポンプを購入し、温泉街の所々に置くことを検討したい」と語った。 各旅館には、防火の徹底と、宿泊客の避難誘導の確認を求めたという。 視察に訪れた首藤奉文市長は「市としても再度、防火策を検討したい」と話していた。 (2012年1月17日 読売新聞)
by mo_gu_sa
| 2012-01-17 00:00
| 大分
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