http://mainichi.jp/area/kumamoto/archive/news/2011/01/04/20110104ddlk43040203000c.html
◇滞在時間延ばす試み 熊本城の城下町、熊本市新町にある「村上カラシレンコン店」。店内に入ると、からし独特の香りが鼻と目、そして食欲を刺激する。「レンコンをみそに押し付けるようにしてください」。3代目の村上範年さん(39)が、からしレンコン作り体験の参加者にアドバイスする。 熊本名物として知られる「からしレンコン」は、病弱だった藩主、細川忠利公の健康食として考案された。輪切りにした形が細川家の家紋に似ていることもあり、作り方は長く門外不出とされていたという。 同店の場合、レンコンの穴に洋がらしやみそ、水などを合わせた「からしみそ」を詰める。小麦粉などで作った衣をつけ、200度の油で約7分揚げれば出来上がり。シャキシャキとしたレンコンの歯ざわりと、ツーンとしたカラシの刺激が絶妙にマッチし、酒のさかなにはぴったり。熊本では正月の贈答品やおせち料理としても人気がある。 1958年創業の同店がからしレンコン作り体験を始めたのは2年前。「お客さんに品物を販売するだけでなく、もっとコミュニケーションがとれないか、と思ったんです」と村上さん。多い時は月30~40人もの体験希望者が訪れるといい「予想以上の多さ。ただ『見る』『買う』だけではない、体験を求める観光客が増えているのでは」と推測する。 「城頼み」と言われることも多い熊本の観光だが、市内では最近、他にも熊本の伝統工芸「肥後象嵌(ぞうがん)」やしょうゆ、キャンドル作りなどの体験を受け入れる店舗が増えつつある。一部は旅行会社の観光プランにも組み入れられるようになり、観光客の熊本での滞在時間を延ばす試みとして注目されている。 「新幹線で来た観光客に『熊本城を見て阿蘇に行く』のではなく、熊本に宿泊してもらうのが大事だと思う。駅に降りた客が、街を楽しみながら歩いて熊本城に行くようになれば」。村上さんは新幹線開業後の姿を思い描く。【勝野俊一郎】 毎日新聞 2011年1月4日 地方版
by mo_gu_sa
| 2011-01-04 00:00
| 熊本
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