http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20110106ddlk42100368000c.html
島原市の平成新山ネイチャーセンターが昨年12月18日に催したツアー「雲仙火山と島原半島の三温泉」に、県内外から19人が応募した。島原、雲仙、小浜の温泉をバスで巡り、泉質や温度、効能の違いを調べ、足湯につかり、入浴した。 「違いを知ってお湯に入ると楽しい」。体が温まり知的興奮も味わった感想を聞き、ガイドした雲仙岳災害記念館展示運営主任、長井大輔さん(36)は手応えを感じた。 ツアーは09年に島原半島が世界遺産の地質版、世界ジオパークに認定されたのを機に始まり、2回目。 古里・松山で道後温泉に親しみ、アイスランドなど海外の温泉も経験した長井さんは「島原半島ほどバラエティーに富む温泉がある地域はない。比べるといろいろな気付きがある」と「知」の観光資源として太鼓判を押す。 有明海側の島原(重炭酸土類泉)▽中央部の雲仙(硫黄泉)▽橘湾沿いの小浜(食塩泉)と、同じ雲仙火山のマグマ溜(だ)まりに由来しながらも、泉質が異なる温泉がわく島原半島。非火山性温泉も点在し、高温から低温まで、酸性から弱アルカリ性までそろう「温泉の見本市」だ。 しかし多様性は観光に生かされてこなかった。三温泉にしても、雲仙は高級保養地で、小浜は海辺の療養の湯と、成り立ちの違いもあり、湯巡りする環境にない。09年に旅館・ホテル1軒ずつが提携するパス券を発売したが、この3軒から広がっていない。 温泉地学がライワークの九州大名誉教授、太田一也さん(74)は「雲仙火山は多様な温泉を生成する仕組みを理解できる全国で唯一の火山」と解説する。「火山直下ではなく、半島西の橘湾地下にマグマ溜まりがある」が太田説。そこから出るガスが地下水に溶けて温泉ができるが、ガスは移動距離や地質の影響を受けて成分が変化するため、多種多様な温泉がわく--というわけだ。 太田さんも「知」の観光に目が向く。「温泉を知る意欲に応える宣伝や取り組みをしないと。地元の人や行政が温泉を知り、楽しむことが始まり」と提案する。 ============== ◇記者のひとこと 間もなく2年になる島原ライフを彩るのは温泉だ。お気に入りは島原観光ホテル小涌園のサイダー泉。浴槽の底からゴボッゴボッと自噴する炭酸泉に、地球の鼓動を感じる。沸かすと炭酸が消える難問を、熱湯の差し湯でクリア。細かな泡に包まれて夏でも気持ちがいい。それにしても、雲仙火山のマグマ溜まりの位置は学説が分かれているのが惜しい。太田さんの橘湾説の他、半島内説もある。研究者には知る意欲に応えて確定してほしい。【古賀亮至】 〔長崎版〕 毎日新聞 2011年1月6日 地方版 ■
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by mo_gu_sa
| 2011-01-06 16:27
| 長崎
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