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新幹線物語:3月12日・全線開業/3 薬草と温泉 /熊本

http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20110105ddlk43040379000c.html

 ◇“健康”で街おこし

 ハコベの白あえ、ナズナのパスタ、タンポポサラダ--。玉名市の薬草カフェ「たんぽぽ」の壁に薬草を使ったメニューがずらりと並ぶ。「『飲みすぎておなかの調子が悪い』って言いながら来る人もいるんですよ」。店を切り盛りする市民グループ「小岱山薬草の会」会長の宮永マス子さん(62)が笑う。

 会は地元小岱山の薬草を町おこしにつなげようと07年に発足。08年10月に「たんぽぽ」をオープンさせた。看板メニューは、何種類もの薬草を3時間以上も丹念に炒めて仕上げる「薬草カレー」と、オオバコのダゴ(ダンゴ)が入った郷土料理だご汁。双方とも「苦い」という薬草の先入観をいい意味で裏切り、口当たりのいい逸品だ。それ以外のメニューも事前に注文を受け、材料が手に入れば提供する。

 使用するのは小岱山など近郊や、ビニールハウス栽培で調達した15種類前後の薬草。メニューの開発は「食べる薬草事典」などの著書がある崇城大薬学部の村上光太郎教授のアドバイスを受け、食堂経営の経験のある宮永さんらが担当する。

 九州新幹線の新駅「新玉名駅」が誕生する玉名市で、宮永さんらの活動が注目されてきている。玉名のもう一つの名物「温泉」と組み合わせ、相乗効果で「薬草と温泉の郷 玉名」として「健康」をアピールしようという狙い。玉名温泉観光旅館協同組合などでは、宮永さんらの協力を得て独自の薬草料理を作ったり、薬草湯を提供したりする予定。市内では薬草を使った料理のコンテストも開かれる見込みで、薬草入りのシャンプーやリンスなどの商品も検討されている。

 開業後、新玉名駅には準最速の「さくら」の一部も停車することが決まった。「通過駅」化を懸念していた街には安堵(あんど)感が漂う。しかし宮永さんは「新幹線が停まるだけで、お客さんが降りなければ意味がない」ときっぱり。踏まれても芽を出し続ける「たんぽぽ」魂で、街を盛り上げていく。【勝野俊一郎】=つづく

毎日新聞 2011年1月5日 地方版
by mo_gu_sa | 2011-01-05 15:16 | 熊本


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