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衛星データで知られざる秘湯発見、本2冊に

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101213-OYT1T01054.htm衛星データで知られざる秘湯発見、本2冊に_e0113829_21263546.jpg

 埼玉県久喜市の科学ジャーナリスト福田重雄さん(59)は、人工衛星の地上観測データを基に、知られざる温泉を探し出すことを楽しんでいる。

 画像分析と、自分の足で探訪した成果は、昨年に「東日本編」、この秋に「中部・西日本編」と2冊の本にまとめた。これで日本全土の秘湯の情報はほぼ網羅できたといい、特に山登りに自信のある人や地学ファンの関心を集めそうだ。

 福田さんは、衛星観測データをパソコンで解析し、自然観察する「アースウオッチ」の活動を提唱。地元で「アースウオッチの会」を主宰している。

 米国の地球観測衛星ランドサットの画像データは、科学雑誌に地形や地質に関する記事を書く目的で、2000年から3年をかけて日本全土の分を収集。画像を基に地熱発電に適した地域の取材をしたところ、地図に記されていない温泉がいくつもあるのを発見した。

 そこで、秘湯探しのガイドブックを作れば「衛星データを身近に感じてもらえるのでは」と、9年前から現地踏査に乗り出した。

 まず、衛星が撮影した山岳地帯の実画像と、熱源は赤系、水脈は青系で表示される熱分布画像などを組み合わせて分析し、熱源と水脈が一緒の地域にある場所を探す。おおよその場所に見当を付けてから現地を訪れる手法を取り、地元民も知らないような、自然の中で湧き出る温泉を見つけたことも少なくないという。

 画像は付録のCD―ROMに収録しているが、本では現地の大まかな様子や注意点などを記すにとどめている。場所の詳細な案内を見合わせているのは、道が険しく訪れるのが危険な場所もあることに加え、「自分だけの温泉を探す楽しみを味わってほしい」とも考えるからだ。

 福田さんは「衛星の果たす役割や活用方法の幅が広がればうれしい」と話している。14日午後3時半からは久喜市中央公民館で、秘湯探しの楽しみ方を講演する。入場は無料。問い合わせは、埼玉アースウオッチの会事務局((電)0480・23・5737)へ。

 著書の「衛星画像で知る温泉と自然の湯(東日本編)」(草思社)と、「衛星画像で旅する日本の原風景と温泉(中部・西日本編)」(新潟日報事業社)は、いずれも3200円(税別)。

 問い合わせは、草思社((電)03・3576・1005)、新潟日報事業社((電)025・233・2100)へ。

【写真】衛星画像を活用した秘湯ガイドをまとめた福田さん

(2010年12月14日07時13分 読売新聞)
by mo_gu_sa | 2010-12-14 07:13 | 温泉一般


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