「人間は変わる」 作家の南木さん、うつ病体験を語る

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 芥川賞作家の南木(なぎ)佳士さん(58)の講演会が20日、益田市常盤町の市立図書館であった。作家と医師の仕事をこなし、完璧(かんぺき)さを追求するあまり、うつ病になった南木さんは、信州の山々をめぐることを通じて生きる力を取り戻したという。南木さんは「焦ったり、あきらめたりしてはいけない。生きている限り人間は変わる」と話した。

 南木さんは医師になって、古里に近い信州の病院に内科医として赴任した。なすすべのない患者の死に直面して、「こんなにたくさんの死を看(み)取るのか」と衝撃を受けた。同時に、自分と向き合い、心のバランスを取り戻すため、小説を書き始めたという。

 小説を書き続けた南木さんは、1989年に「ダイヤモンドダスト」で芥川賞を受賞した。喜びの一方で、「病院の仕事をおろそかにしてはいけない」と働き過ぎ、心と体の不調に陥ったという。

 回復のきっかけとなった登山の魅力について、南木さんは「五感で自然を感じ、しっかり汗をかき、下山後に温泉につかると、とてもリラックスできる」と話した。こうした経験を水源に新たな南木文学が生まれ、2008年には泉鏡花文学賞を受賞した。

 講演会は、南木さんの感性を見抜き作家デビューを支えた元出版社編集者の高橋一清さん=松江市=との対談形式で進められた。(広川始)

【写真】南木佳士さん
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by mo_gu_sa | 2010-09-21 00:00 | その他


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