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別府殺人、事件から1週間 情報少なく見えぬ犯人像

http://mytown.asahi.com/areanews/oita/SEB201009110040.html別府殺人、事件から1週間 情報少なく見えぬ犯人像_e0113829_23353591.jpg別府殺人、事件から1週間 情報少なく見えぬ犯人像_e0113829_23354461.jpg

 素朴な露天ぶろの近くでいったい何が――。別府市明礬(みょうばん)の雑木林で4日、神戸市の看護師横手宏美さん(28)の遺体が見つかった殺人事件は、12日で捜査本部の設置から1週間になる。現場は秘湯に通じる市道の山道そば。以前に不審者が出没したり車上狙いが相次いだりしたこともあるが、事件に関する有力な情報は集まらず、県警の幹部は「犯人像が絞り込めない」と話す。遺留品探しや検問など懸命の捜査が連日続いている。

 ■県警「あらゆる可能性を」

 原野で温泉がわき出ている露天ぶろが点在する「秘湯」エリアで事件は起きた。露天ぶろは、出入りが自由で無料の混浴だ。

 横手さんの財布、高級バッグや携帯電話などの貴重品は見つかっていない。遺体は性的な暴行を加えられた形跡はないが、サンダル履きにもかかわらず下半身は下着しか身につけていなかった。金目当てだったのか、女性を襲うことが目的だったのか。捜査幹部は「あらゆる可能性を考えなければならない」と話す。

 捜査関係者によると、横手さんは九州旅行について家族や親しい同僚にしか話していなかったという。県警は、見知らぬ人物が襲撃した可能性が高いとみている。

 雑木林は、別府市の温泉地の一つ明礬温泉の国道500号から、山道を車で約15分登った原野に広がる。数百メートル先には露天ぶろ「鍋山の湯」。車を止めて車外に出た横手さんの目的は、同湯を訪れることだったのだろうか。

 山道は険しく、道幅は約2~5メートル。未舗装で大きな溝や岩がむき出しの悪路で地元住民は「車高の低い車は底を擦る」と断言する。また、夜間は人通りがぱったり途切れ、別府市によると、付近では2000年ごろからゴミの不法投棄が絶えない。09年3月に監視カメラを設置してからは徐々に減っている。県警は事件後に監視カメラの記録を調べたが、有力な情報は見あたらなかったという。

 横手さんは、8月31日夜にトラブルに巻き込まれたとみられている。午後5時ごろまで知人2人と鍋山の湯に入っていたという常連の男性(45)は「あの日は5時にはすでに薄暗かった」と振り返る。

 ■車上狙い・不審者出没

 「鍋山の湯」は他の2カ所と合わせ「別府三大秘湯」としてガイドブックやインターネットで紹介されている。常連の男性(74)は「日中に30人以上は鍋山に来るのではないか。もはや秘湯とは呼べない」。脱衣所や仕切りがない野趣あふれる温泉だが、夜間は照明がなく、訪れる人が減るため、その様子が変わることがあるという。暗がりに乗じてマナー違反や風紀を乱す人がいるのだという。駐車スペースと湯船が離れているため、08年には車上狙い被害が7件発生している。

 のぞきや盗撮のうわさもたえない。大分市の30代の会社員の女性は08年に友人3人で入った時、男から不意にカメラを向けられた。「同じ湯船につかろうとしたり、写真を撮ったり、気味が悪かった」

 横手さんは8月28日に神戸市を出発し、福岡、鹿児島、宮崎に宿泊し、同県高千穂町を経由して31日夕に別府市入り。市中心部にある市営竹瓦温泉の砂湯を楽しんだ後、秘湯エリアに向かったとみられている。日中しか鍋山の湯を利用しない常連の男性(48)は「夜は怖いので行かない」。別の常連の男性(39)は「鍋山の事情を知らなかったのではないか。かわいそうな事件だ」と話す。

 市は、秘湯エリアに通じる市道の一般車両通行を当面禁止する方針を表明し、関係機関と防犯対策の協議を始めた。今のところ、市は監視カメラ増設などを検討している。

【写真】(左)秘湯エリアを訪れた人から話を聞く警察官=別府市明礬
     (右)横手さんの車が止まっていた山道。左から2台目付近にあったという=4日、別府市明礬
by mo_gu_sa | 2010-09-12 00:00 | 大分


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