http://kyushu.yomiuri.co.jp/entame/onsen/oita/20100501-OYS8T00309.htm
大分県別府市で今年1月13日に住宅など23棟が全焼した大火災で、焼け落ちた共同浴場「此花(このはな)温泉」が全国からの寄付などで年内にも再建されることになった。「地域の社交場」の復活を待ち望んでいた住民たちは、喜びにわいている。 此花温泉は、大正末期か昭和初期に地元の住民有志が建てた。1966年に地元の自治会(現・光町1区自治会)に寄付されたが、自治会名では不動産登記できないため、便宜上、市所有として自治会が運営していた。 入浴料は100円だが自治会員は月1000円で入り放題だった。1階の浴場は、10人ほどが入ればいっぱいになる内湯が男女別にあり、1日300人程度が利用していた。2階は公民館として使われていた。 火元と見られるアパートに近く、火の回りが早かったため消火作業が難航。浴槽とその周りは焼け残ったが、使用できる状態ではなく、3月に解体された。 火災直後から別府の温泉愛好家グループがホームページで「復興のシンボルとして再建を」と呼び掛け、これまでに全国から60件、計約370万円が集まった。自治会では預金約800万円を取り崩し、1600万円を借り入れ、残りは火災保険金を充てて建設費約5000万円を確保した。 温泉跡地近くに住む宮千代子さん(72)は「40年前に夫の転勤でここに引っ越し、温泉で多くの人と顔なじみになった。子育ての情報を交換したのも温泉。失って改めて、大切な場所だったと思った」と話す。 「物心付いた時から温泉に入っていた。先輩から『お前、中学では野球部に入れよ』と言われ、入部を決めたのも温泉だった」と振り返るのは同自治会長の星野隆昭さん(69)。「寄付金を寄せていただいた皆さんの厚意が、私たちの力になった。再建したらぜひ入浴してほしい」 再建に当たっては、自治会を地方自治法上の法人格の「地縁団体」とし、自治会所有とする方針。用地を購入して路地を拡幅し、6月にも着工する。設計はこれからだが、焼失前と同じ2階建てになる予定。 【写真】大火で焼け残った解体前の此花温泉の浴槽(大分県別府市で、2月5日撮影) (2010年4月30日 読売新聞)
by mo_gu_sa
| 2010-04-30 00:00
| 大分
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