http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100508-OYT1T00658.htm
中国を中心に海外からの大型クルーズ船が九州へ寄港する回数が急増している。今年は5年前の3倍以上となる164回が予定されており、中でも博多港(福岡市)への中国発着船の寄港は全国最多となる見通しだ。 経済効果が大きいだけに、各自治体や観光関係者は、海外での誘致活動や観光ガイドの充実など対策に力を入れている。 4月30日午前8時。博多港箱崎ふ頭にイタリアの船会社が運航する「コスタ・クラシカ」が入港した。全長221メートル、総トン数5万3000トン。上海を出港して韓国・済州島、福岡、長崎を巡る5泊の旅の途中だった。 乗船客は中国人を中心に約1400人。入国審査を済ませ、天神での買い物や太宰府天満宮、福岡タワーでの観光を楽しんだ。午後7時頃、市職員に見送られて次の目的地・長崎港に向けて出港した。 クルーズ船の九州への寄港が増え始めたのは、2006年頃から。クルーズ船による観光が盛んな欧米の船会社が、新たな市場として経済成長が著しい中国に着目。クルーズ観光が普及していなかった中国で人気が高まっているためだ。上海などを拠点に、韓国や日本の都市を巡る4、5泊のショートクルーズが一般的で、近場の九州がコースに組み入れられている。 九州地方整備局によると、05年に50回だった九州への寄港は09年には121回と急増。今年は上海万博に伴う増発で、さらに40回以上増える見込みだ。港別では、博多港が最多の69回で、鹿児島港が42回、長崎港が41回予定されている。 特に、5年前は2回にすぎなかった博多港の増加が際立つ。昨年は主力の中国発着船だけで24回、乗客は計2万9300人に上った。 福岡市は船会社との商談会に職員を派遣してPRする一方、今年度から外国船の入港料や岸壁使用料の減免措置も始めた。福岡観光コンベンションビューローも乗客に外国語のガイドブックを配布し、天神地区に案内板やガイドを配置している。そのような努力の結果、今年は前年の3倍近い66回が予定されている。 市集客交流部によると、乗客は天神で電気製品や化粧品、食品などを買う人が多い。タクシーやバス、飲食店なども潤い、今年の経済効果は中国からの乗客分だけで約29億円と推計している。同部の担当者は「数だけでなく、福岡での滞在時間を延ばすことが課題。夜間に停泊する船を増やして長く滞在してもらいたい」と話す。 九州運輸局国際観光課は「九州は豊かな自然や温泉地もあり、魅力ある地域だが、寄港ラッシュを一過性で終わらせないために、言葉や地理の不安を取り除く受け入れ態勢の強化が必要」としている。(森洋二) 【写真】博多港に寄港した「コスタ・クラシカ」から下船する海外の観光客(4月30日)=林陽一撮影 (2010年5月9日14時29分 読売新聞)
by mo_gu_sa
| 2010-05-09 14:29
| 福岡
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