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5日告示のえびの市長選。前市長の競売入札妨害事件に端を発し、市議会解散にも及んで混乱と停滞が続く市政再生への手だてが、2人の立候補予定者に共通する重要テーマになっている。しかも、2人の公約には産業振興や地域活性化策などで重なる部分は少なくない。焦点はむしろ、選挙戦後にありそうだ。(知覧哲郎) 《クリーンで公正なまちづくり》と《市民が納得できる新しいまちづくり》。 元市職員の鬼川利男氏(62)と前市議の村岡隆明氏(46)の訴えの柱のひとつ。入札制度の見直しや職員の意識改革などを盛り込み、それぞれに市役所改革をうたう。「市民の目線」を大切にし、行政への提言やチェックには「外部の目」も加えるという。行財政改革を継続する意思も同じだ。 個別の政策方針でも共通項は多い。農業の振興では農協などとの緊密な連携を掲げ、農業と観光が融合するグリーンツーリズムに可能性を期待。京町温泉の再生を図り、高齢者の「足」となる循環バスを導入する。 鬼川氏が「地域づくり戦略会議」の創設を掲げるのに対し、村岡氏は「地域運営協議会」の立ち上げを主張。市が合併しなかったことを是とし、今後も合併を志向しないとの立場でも一致する。 具体的な手法には違いもみられる。村岡氏が「市長給与3割カットと、職員数の約1割削減」を打ち出すのに対し、鬼川氏は「市長退職金5割カット」を挙げ、「むやみな削減だけでは職員のやる気もそぐ」と反論する。 派閥への認識では違いがさらに際だつ。村岡氏は「派閥解消が出馬の一番の動機。過去のしがらみを断ち切る」とアピールし、鬼川氏は「今回の事件は前市長の個人の体質の問題で、派閥というものはないと思っている」。 鬼川氏は一方で、「問題は戦いが終わった後」と指摘。「終わったら一丸となってやっていける態勢を作ることが派閥の解消につながる」。当選しても論功行賞的な人事はしない、と明言する。村岡氏も「結果にかかわらず、互いが高いレベルで提案しあうことが一番の派閥解消になる」と応じる。 選挙戦後の「一丸」の必要性でも、2人は一致している。
by mo_gu_sa
| 2009-10-04 06:00
| 宮崎
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