http://mainichi.jp/enta/travel/news/20091002ddlk44040601000c.html
◇守りたい「大正浪漫」の湯 「ここ、前にも来たなあ。(幼稚園年少の)うめ組の時かなぁ」--。1年半ぶりに駅前高等温泉に行った。長女日向子(4)は、ドイツ風建築の駅前高等温泉をしげしげと眺めながら、記憶をたぐっていた。 町内の有志が1924(大正13)年に建てたとも伝えられる。かつては「北町温泉」「薬師温泉」と呼ばれた。一見、温泉施設とは思えないドイツ風のハイカラな建物。「別府を代表する」竹瓦温泉よりも古い建物で、別荘地として栄え、かつて多くの洋館が建てられた別府の生き証人とも言える貴重な温泉だ。 半地下には、高等湯と並湯の浴場が作られた。2階はレストラン。古い写真を見ると「薬師温泉文化食堂」「西洋御料理」の看板が掛けられていた。 現在も地元の駅前町自治会が運営する。2階は宿泊用の個室(1泊2500円)や大広間(同1500円)に生まれ変わった。ただ、長い歴史を経て痛みも激しい。「一町内会で維持するのは大変になっている」と事務担当の上松弘子さん(53)は語る。 並湯の湯は、肌を刺すように熱かった。蛇口から水を出してやると、日向子はその前でようやく湯につかった。開け放たれた窓から赤と青のネオンが見える。横のすりガラスに映る明かりを見て「何で紫色なの?」と尋ねられた。「赤と青が混ざるとね、紫色になるんだよ」と答えた。日向子の目がまん丸になった。【祝部幹雄】 ============== ◇駅前高等温泉(駅前町) 58度と48~49度の2本の源泉を使う。浴槽がひとつで洗面具が必要な並湯(100円)▽熱湯とぬる湯の二つの浴槽がある高等湯(300円)--がある。営業時間は並湯は午前6時~午後10時45分、高等湯は24時間。問い合わせは0977・21・0541。 毎日新聞 2009年10月2日 地方版
by mo_gu_sa
| 2009-10-02 00:00
| 大分
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