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空気の熱 再生エネ認定 政府、エコキュート普及推進

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 政府は、空気中に存在する熱も太陽光や風力と同じ再生可能エネルギーとして位置づけ、導入拡大を促すことを決めた。空気中の熱を利用するヒートポンプ式の高効率給湯器「エコキュート」が対象となる。政府は、最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を現状の10%程度から、2020年ごろに20%に引き上げることを目標としているが、太陽光や風力だけでは12%程度にしか届かない。このため、今後急速な普及が見込める「エコキュート」を加えることで目標達成を目指す。関連業界は補助金拡充などによる一層の普及拡大が期待できる。

 ≪補助金拡充に期待≫

 関連法を28日に施行する。その対象を定めた施行令で、再生可能エネルギーを定義。太陽光、風力、温泉地の地熱などに加えて、「大気中の熱、その他自然界に存する熱」を明記した。空気中の熱が法的に再生可能エネルギーに位置づけられたのは初めて。今後、再生可能エネルギー関連の政策を決定する際に検討対象となる。

 すでにEU(欧州連合)では、加盟国に政策の実施を求めるEU指令で空気中の熱を再生可能エネルギーと定義し、普及を促している。ドイツは今年1月、新築の建物にヒートポンプなど自然エネルギーを利用する設備の設置を義務化した。

 ヒートポンプ方式の高効率給湯器は日本メーカーの競争力が強く、業界団体のヒートポンプ・蓄熱センターによると、欧州で三菱電機や日立製作所、パナソニック、ダイキン工業などの製品が、売り上げを伸ばしているという。

 国内では、01年から電力会社や機器メーカーが「エコキュート」の名称で売り出している。給湯費用は月1000円程度と、古い型のガス給湯器の4分の1程度で済む。1台60万~70万円と高価だが、国による4万1000円の購入補助制度や、消費者の環境意識の高まりから急速に販売台数を拡大している。

 日本冷凍空調工業会によると、出荷台数は2けた増を続けており、08年度の出荷台数は前年度比21%増の約50万台。普及台数は、累計174万1000台となった。今秋にも累計200万台を超えるのは確実だ

 ≪目標達成に追い風≫

 今回の再生可能エネルギー認定により、ヒートポンプ・蓄熱センターでは「政策的な後押しが加速し、ヒートポンプの普及が進むのでは」と指摘。業界内で補助金など支援制度の拡充を期待する声が高まっている。

 再生可能エネルギーの拡大を目指す政府は、エコキュートの普及で、20年度目標である再生可能エネルギー20%のうち、約半分が「空気中の熱」になると見込んでいる。(粂博之)

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【用語解説】ヒートポンプ

 気体を圧縮すると周囲から熱を吸収して温度が上がり、反対に膨張させると温度が下がる性質を利用した装置で、エアコンや給湯器に使われる。家庭用の自然冷媒ヒートポンプ式給湯器(エコキュート)は、装置の中で循環し圧縮・膨張させる気体に二酸化炭素を用いる。ガスを燃焼させる従来の給湯装置に比べ消費エネルギーが少なくて済む。また昼間より割安な深夜電力を使うため電気代も節約できる。
by mo_gu_sa | 2009-08-28 08:15 | 温泉一般


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