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国の文化審議会が19日に文科相に答申した登録有形文化財105件の中に、県内からは八代市日奈久上西町の「旅館金波楼(きん・ぱ・ろう)」が選ばれた。明治期以降の木造2、3階建ての旅館が密集する日奈久温泉街の歴史的街並みの中でも、贅(ぜい)を尽くした代表的な建造物として評価された。5月に正式登録される予定。
1909(明治42)年に建てられた木造3階建ての本館と1938(昭和13)年の木造2階建ての大広間棟、昭和初期の正門と塀。本館は通り側にひさしを付けて大きなガラス戸で開放感をもたせ、上部を土壁、下部を板張りにした長い塀とともに温泉街の伝統的景観を表している。
金波楼の松本寛三社長は「来年は創業100年を迎える節目であり、先祖から受け継いだ旅館が評価されてうれしい。次の代へも磨きをかけて残していきたい」と話した。
県内の登録有形文化財は現在103件。旅館が対象になったのは初めて。
【写真】旅館金波楼の本館=八代市日奈久上西町