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写真風土記:古里を訪ねて 別府/4 “地獄”で安らぎの味 /大分

http://mainichi.jp/area/oita/news/20090211ddlk44040593000c.html

 湯けむりと地獄めぐりで知られる別府市・鉄輪(かんなわ)温泉の一角にある旅館「陽光荘」。冬の日が傾き始めるころ、長期滞在中の湯治客が野菜や米などを持って自炊用の炊事場に集まってきた。

 温泉タンクの周囲には、97~98度の噴気を引き込んだ地獄釜がズラリと並ぶ。ご飯は約1時間、大きなカニでも約20分、ホウレンソウは2分でおいしく蒸し上がる。鉄輪名物の「地獄蒸し料理」が自炊で楽しめる。

 愛媛県愛南町の元遠洋漁船乗組員、赤壁正義さん(86)も毎年やってくる常連の1人だ。「1日3回風呂に入り、雑談しながらご飯を作る。それが一番元気が出るんよ」と笑う。常連客は慣れた手つきで材料を釜に入れ、ふたの上に木の名札を置いていった。

 今の貸間旅館となったのは1937年。近年は食材を抱えた若者グループや欧米人観光客の人気も集めるようになった。それはそれで楽しいが、若女将(おかみ)の佐原郁恵さん(53)は常連さんに会うとやはり心が和らぐ。

 「親子2代で40年通って来る人もいる。寒くなっていつものお客さんが来ると、心待ちにしていた家族が帰ってきたような気がするんです」【祝部幹雄】

毎日新聞 2009年2月11日 地方版
by mo_gu_sa | 2009-02-11 16:01 | 大分


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