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BDFで環境に貢献、働く喜び実感 雲仙の障害者就労支援施設

http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080902/08.shtmlBDFで環境に貢献、働く喜び実感 雲仙の障害者就労支援施設_e0113829_1357334.jpg

 雲仙市瑞穂町の障害者就労支援施設「ウェルカム社瑞穂」は食用廃油から環境に優しいバイオディーゼル燃料(BDF)を精製、販売する事業に取り組んでいる。製油量は一カ月でドラム缶(二百リットル入り)約二十本に上り県内最大級という。通所者らは働く喜びや社会とのつながりを感じている。

 施設は社会福祉法人コスモス会(本部南島原市、本田利峰理事長)が運営し、精神、知的、身体の三障害者ら三十人が通所。福祉と地域、環境をつなぐ事業として二〇〇六年度からBDFをつくっている。

 BDFは植物由来の使用済みてんぷら油からつくり、燃焼しても大気中の二酸化炭素(CO2)を増やさず地球温暖化防止につながり、軽油の代替燃料として注目されている。

 施設では四月、新たに廃油二百リットルを精製できる装置を導入。従来の百リットルの装置と合わせ一日五時間稼働で三百リットルの廃油から二百七十リットルのBDFをつくることができる。現在、一カ月に約四千リットル精製し、販売。雲仙温泉街-仁田峠間を運行するタクシーなどで使われている。食用廃油は市内外の旅館ホテルや食品工場など二十カ所から回収。職員と一緒に障害者も同行、地域と触れ合う機会にもなっている。

 男性通所者(38)は「温度の設定などが難しく、体も使うが、その分、働く喜びを感じている。社会の一員としての自覚や責任感を持ち、また社会に出て就労したい」。同施設の薄田良二次長は「地域や環境に貢献することで劣等感を抱きがちな障害者に肯定感が芽生えた。また工賃アップにもつながった。廃油の回収量を増やしたい」と言う。

 一方、小浜温泉の熱を利用してBDFを製造し、島原半島ぐるみで食用廃油を循環利用しようとする「温泉バイオディーゼル燃料研究会」がこのほど発足。同施設もメンバーに加わっている。

【写真】BDFづくりに励む通所者ら=雲仙市、ウェルカム社瑞穂
by mo_gu_sa | 2008-09-02 00:00 | 長崎


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