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別府八湯・名人への道:/13 おかたの湯(竹の内) /大分

http://mainichi.jp/enta/travel/news/20080829ddlk44040385000c.html

 ◇やさしくなれる家族湯

 長男出産後、しばらく風呂に入れなかった妻に入浴許可が出た。とはいえ長男はまだ温泉の湯には入れない。「ならば家族湯」と「おかたの湯」に出かけた。長女日向子(3)も一緒だ。

 部屋が空くまで時間つぶしにかき氷を食べていたら「どこの部屋?」と聞かれた。部屋名を告げると「黒い石のお風呂ね」。すると、日向子が泣き出した。

 「暗いお風呂は嫌ぁ」

 聞き間違えたらしい。なだめすかして、黒い一枚岩をくりぬいた湯船を見せると、日向子は納得して泣きやんだ。

 竹の内地区は、あちこちから湯けむりが立ち上り、豊富な温泉がわき出していながら、旅館・ホテルや温泉施設はほとんどなかった。大平靖子店長(50)によると、ここの源泉も元は社長の自宅用。近所にも給湯していたが、大量の残り湯があり「もったいない」と05年4月に温泉施設を作った。毎回湯を入れ替えるコイン式。「別府は源泉掛け流し文化の温泉地で、コイン式は当時、珍しかった」と大平さんは話す。

 前任地の熊本ではよく家族湯に出かけたが、別府では初めてだ。明るい陽光が差し込む浴室で、日向子は、脱衣場に残される弟に優しく話しかけていた。

 「ゆうくん、ちょっと待っててね」【祝部幹雄】

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 源泉温度92度の塩化ナトリウム泉でメタケイ酸も多く含まれる。家族湯が10室あり、1時間1300~2000円。コイン式で湯は毎回入れ替える。平日午前11時~午後10時受け付け、土・日・祝日午前9時~午後10時受け付け。

毎日新聞 2008年8月29日 地方版
by mo_gu_sa | 2008-08-29 00:00 | 大分


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