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ちゃんぽんトーク:まち歩き「雲仙歴史ガイド」・田浦元さん /長崎

http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20080815ddlk42070389000c.html

 ◇埋もれた魅力掘り起こし--まち歩き「雲仙歴史ガイド」田浦元さん(41)=島原市柏野町
 「かつてこの空き地には『雲仙ホテル』があり、ヘレン・ケラーさんも宿泊したんですよ」「江戸時代にキリシタンが『地獄責め』を受けた場所について、海外の文献は『山の間から海が見えた』場所としています。恐らく小地獄でしょう」

 今月2日、雲仙温泉(雲仙市)で、初の「温泉(うんぜん)さるく」が開催され、ガイドを務めた。「さるく」は長崎弁で「ぶらぶら歩く」。「長崎さるく博」で注目を集めたまち歩き観光の手法だ。田浦さんは新しい雲仙観光の姿を目指している。

  ◇   ◇

 雲仙温泉で3代続く土産物店を7年前に継ぎ、「埋もれた魅力を掘り起こしたい」とノーベル賞作家パール・バックらの写真や足跡を発掘した。しかし、昔ながらの温泉街では「変わり者」とされ、「歴史で飯が食えるか」とも言われた。

 悩んでいたころ、「あなたみたいな若い人がいて良かった。明日から『雲仙歴史ガイド』を名乗って。私がよそに紹介します」という言葉に救われた。5年前に出会った、金沢市を拠点にする地域プランナーの麦屋弥生さんの言葉だ。

 麦屋さんは以前から普賢岳災害による地元振興の落ち込みを心配し、田浦さんに助言や人材紹介をしていた。今年の黄金週間にも麦屋さんと会ったが、それが最後となった。麦屋さんは6月、宮城県を視察中に岩手・宮城内陸地震に遭い、土石流に巻き込まれ、48歳で亡くなった。

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 雲仙温泉は長崎市の大浦地区など外国人居留地を拠点に活躍した政商トーマス・グラバーらが避暑地として開発。その縁で大浦地区と雲仙温泉の市民有志は温泉さるくがあった2日、「フレンドリーシップ」連携に調印した。田浦さんは雲仙側の窓口として奔走し、早速大浦側のメンバーを案内した。「ただ歩くのとは全然違う。面白い」と好評を得た。

 「あの人がいなければ今の自分はなかった」。田浦さんは案内をしながら、「地域を愛する」という麦屋さんの遺志を受け継ごうとしっかり心に決めていた。【錦織祐一】

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 ★プロフィル

 雲仙市出身。島原高から米アイダホ州の大学へ。島原市で学習塾を運営した後、01年に実家の土産物店を継いだ。雲仙観光協会理事として地域おこしイベントを企画。語学力を生かして英語でのガイドも可能。妻と1男。

毎日新聞 2008年8月15日 地方版
by mo_gu_sa | 2008-08-15 00:00 | 長崎


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