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ごみの92%が燃料に…都市全体が「リサイクル発電所」 G8サミットの北海道

http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2008062484048

▲日本初のバイオマス燃料化施設〓北海道の玄関口である新千歳空港から、G8サミットが開かれる洞爺湖へと向かう道沿いにある白老町。人口1万4000人のこの小さな町で、日本では初めて、生ごみのほとんどを資源として活用する実験を開始した

燃えるごみを235度、30気圧で高温・高圧の処理を行い、石炭同様の火力を持つ燃料を作り出すシステムを1月から試験的に運営している。

処理工場ではごみ袋をまるごと高温・高圧処理機に投入すると、瞬く間に黒い粉となって出てくる。この粉が次の工程へと移され、廃木材やペットボトルと混ざった後、成型を経て棒の形をした燃料へと生まれ変わる。関係者によると、ごみ焼却場の悩みの種だったダイオキシンの排出問題もまったく気にする必要はないという。

この工場は来年4月から本格的に運転する予定で、全体のシステムが出来上がれば、この町の生ごみの92%が石炭代替エネルギーへと生まれ変わることになる。燃料はすべて、この町の日本製紙の工場に有料で販売される予定だ。

これまでごみを焼却してきた白老町としては、焼却コストや二酸化炭素の排出量を減らし、燃料の販売で利益まで生まれるという一石三鳥の効果をあげることになる。

同施設は北海道大学と民間企業が共同開発し、14億円に上る開発費は日本政府が半分を補助した。

▲洞爺湖温泉街のヒートポンプシステム〓洞爺湖地域に点在する温泉旅館は計57ヵ所に上るが、源泉はわずか1ヵ所のみ。火山活動のため温泉が移動する同地域の特性上、温泉のお湯の温度がたびたび変わり、一ヵ所でボイラーを沸かして供給してきた。

今年2月から、この温泉町の利用協同組合を中心に、温泉の排水から熱エネルギーだけを回収し、温泉水を温めるエネルギーとして再利用する日本初の「ヒートポンプシステム」が稼動している。

これまで使ってきた重油ボイラーはすべて運転中止となった。このため節約できる原油は年間約300キロリットルに及ぶ。

3年前に同事業を企画した当時、組合員たちに概念を理解させるのに一苦労したという田鍋敏也氏は、「原油価格の高騰を見込んでやったわけではないが、最近うなぎのぼりの石油価格を目にし、胸をなでおろすこともある」と話した。

機械の導入費用のため、まだ各旅館の負担は減ってはいないが、かといって増えている訳でもいない。その代わり、省エネ率は29.7%に達し、排出される二酸化炭素は半分も減った。

▲「原子力ルネサンス」に備える日本製綱〓世界の原子炉の主要部品の80%を生産する日本製綱所・室蘭製作所は1907年に創立された老舗会社だ。

20世紀前半は民間最大の兵器製造メーカーだったが、第2次世界大戦後は、蓄積された技術を活かして日本製の第1号航空機のエンジンを作るなど、世界的な技術を誇ってきた。特に、600トン級の鋳型(Ingot)の塊を高圧のプレスで丸ごと製綱する技術は世界一であることで知られている。

同工場は世界的な「原子力発電のルネサンス」が見込まれることを受け、いち早く設備投資の強化に取り掛かっている。今後2年間で、30~50%の設備能力を増強する予定だ。各関連部品が日増しに重くなりつつあり、一度で処理できる鋳型の大きさも650トンへと増やす計画だ。

これと共に最近は、風力発電機や水素燃料電池などの新エネ技術や環境関連の部門にも力を入れている。

▲環境にやさしい国際メディアセンター〓G8サミットの主要会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」から自動車で30分の距離にある留寿都町では、4000人規模の国際メディアセンターを7月初頭にオープンするための仕上げの工事が急ピッチで進められている。

同メディアセンターも非常に環境に配慮した設計となっている。建物の地下には雪の多い北海道の天候を利用するため、7000トン分の雪を貯蔵しておいた。会議の期間中、この雪の冷気を循環させて冷房に使うことになる。雪解け水はトイレの水として使われる。

自然のエネルギーを最大限活用するため、太陽光発電パネルを設置して発電を行い、天井を通した自然の採光や換気などを利用する予定だ。建物の壁は植物で完全に覆い、自然との調和を強調する方針だ。
by mo_gu_sa | 2008-06-24 03:12 | その他


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