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【話の肖像画】元気が出る昭和レトロ(2)庶民文化研究家 町田忍さん

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080611/trd0806110311004-n1.htm【話の肖像画】元気が出る昭和レトロ(2)庶民文化研究家 町田忍さん_e0113829_2319491.jpg

 ■銭湯めぐりで謎を解く

 --最初にメディアに出たのは「銭湯めぐり」でしたね

 町田 全国3000軒以上まわりました。「なぜ銭湯めぐりを?」とよく聞かれるんですが、きっかけはオーストラリアの青年がうちに泊まったとき、近くの銭湯に連れていったこと。「なぜ寺のようなつくりなのか」などと聞かれ、何も答えられず、調べるきっかけになったのです。

 そうこうしているうちに近所で別の銭湯が取り壊された。「身近すぎてだれも記録を保存していないのでは」と思い、コレクションのスイッチが…。でも、大きすぎるので家には入らない(笑い)。銭湯は写真を撮って集めているんです。

 --銭湯でも調査能力が発揮されました

 町田 「加賀湯」とか「能登湯」と北陸の地名が屋号になっている。その謎は、銭湯経営者に北陸出身者が多いからと分かった。次になぜ多いのかという疑問。銭湯は現金商売で深夜まで働く仕事。それにまじめで忍耐強い北陸の人が歓迎され、「兄弟や親戚(しんせき)も呼んでこい」と言われ、どんどん増え、のれん分けするなどして北陸出身の経営者が増えたんです。

 --バブルのときも銭湯に熱中していましたね

 町田 バブルのころは世間は高級志向で、銭湯の廃業が急速に進んだ時期。ぼくは、記録を残そうと必死でしたよ。写真を撮っていると地上げ屋に間違えられ、大変な目に何度も遭いましたけど(笑い)。

 --銭湯が急速に減っていることも訴えています

 町田 東京は1週間に1軒のペースで廃業され、大阪もほぼ同じペース。大阪一古い銭湯も廃業したばかりです。銭湯の敷地はマンションに変わるところも多いですね。庶民が裸の付き合いをした文化の場が消滅しつつあります。

 --いまも残っているいい銭湯はありますか

 町田 東京では和風の建物が立派なキング・オブ・セントウと呼ばれる大黒湯と、広い庭園で夕涼みできるタカラ湯。どちらも千住にあります。大阪は自由の女神像が建ち和洋折衷の源ケ橋温泉。京都なら、みやびなつくりで天井に天狗(てんぐ)の彫刻がある船岡温泉でしょうか。いまだ、こんなに素晴らしい銭湯が残っている。世界に誇れる庶民文化そのものなんです。(大家俊夫)
by mo_gu_sa | 2008-06-11 03:09 | その他


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