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九州新幹線全線開業まで3年 ビジネスホテル“熊本の陣” 宿泊客増にらみ相次ぐ進出

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/kumamoto/20080331/20080331_002.shtml九州新幹線全線開業まで3年 ビジネスホテル“熊本の陣” 宿泊客増にらみ相次ぐ進出_e0113829_19322432.jpg

 九州新幹線全線開業が3年後に迫った熊本市で今春、同市中心部に県外資本のビジネスホテル3軒が相次いで進出する。全線開業でビジネス客や観光客の増加を当て込む動きで、迎え撃つ既存ホテル側も客を奪われまいと改装などに乗りだしている。ホットな戦いがすでに始まっているビジネスホテル業界。生き残りを賭けた競争が本格化する気配だ。 (山下真)

■中心部に続々

 熊本市の繁華街の一角、新市街に完成した「コンフォートホテル熊本新市街」(10階建て、157室)。世界40カ国にホテル展開する米国の企業「チョイスホテルズインターナショナル」のグループ店として21日に開業した。世界展開するブランド力を武器に、県外のビジネス客や海外からの旅行客取り込みも目指す。

 この「コンフォート」のわずか数十メートル先には「リッチモンドホテル熊本新市街」(11階建て、160室)が4月1日に開業する。「上質なビジネスホテル」(田中邦弘支配人)を方針に掲げ、客室は通常のビジネスホテルより広めに設計。宿泊料金がシングルで7000‐8000円とやや割高だが、室内の広さとともにカーテンやじゅうたんなど内装にも凝り、特色にする。

 さらに熊本市交通センター付近に同じく4月1日、「ドーミーイン熊本」(13階建て、294室)が全面開業する。こちらの最上階には天然温泉の大浴場を備えるほか、1カ月以上の連泊で料金割引される「マンスリープラン」を設け、長期出張や単身赴任のビジネス客獲得を狙う。

■改装など着手

 こうした中心市街地への進出攻勢を受け、危機感を強めているのが既存ホテルだ。同市のビジネスホテルは県ホテル協会の加盟組(12業者)を含め、30軒あまりのビジネスホテルが競争を繰り広げている。

 県外資本の新たな進出に開業32年の老舗「ホテル法華クラブ熊本」は、5年ぶりの改装に着手した。ホテル内の壁やクロスを張り替え、客室ごとに空調を調節できるように変更。共同浴場の広さも従来の2倍にする。5月1日のリニューアル開業を目指している。ほかに「熊本東急イン」も改装工事に乗りだし、5月上旬の営業再開を目指す。

■「2年が勝負」

 熊本市内のビジネス客を含む宿泊客数は1999年には約194万人を数えたが、2003年には約173万人まで減少。その後、自動車や半導体関連の製造業の企業立地も背景に06年には約184万人まで持ち直している。

 観光客の増加も期待される。熊本市の観光客数は06年度、429万人で5年ぶりに増加。市観光政策課によると、熊本城の築城400年に向けたキャンペーンの効果が表れているといい、今春、熊本城の本丸御殿の復元作業も完了し、同課は「熊本城を生かし、引き続き県外の観光客を集めたい」と話す。

 こうした動きを背景に動きだすビジネスホテル業界。地元ホテル関係者は「開業前の今後2年間が生き残りを賭けた勝負になる」と予想する。

 県観光旅館ホテル協同組合の林田祐典事務局長は「設備を改装する資金力のない既存ホテルは厳しい状況。特色あるサービスや料金の見直しなどソフト面の工夫をしなければ、淘汰(とうた)される可能性もある」と指摘する。

【写真】熊本市交通センター近くに全面開業する「ドーミーイン熊本」

=2008/03/31付 西日本新聞朝刊=
by mo_gu_sa | 2008-03-31 11:02 | 熊本


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