http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070205k0000m040074000c.html
「年収700万円、一戸建て提供します」。静岡県東伊豆町の稲取温泉観光協会(加藤昌利会長)がこんな条件を提示して事務局長を全国公募したところ、予想をはるかに上回る1281人が応募した。好条件と団塊の世代が大量退職する「07年問題」の時期に重なったことで、中高年を中心に人気が集まったらしい。4日には町内で最終審査が行われ、書類審査を通過した34~65歳の20人がチャレンジした。第二の人生の夢を射止める新事務局長は5日に決定する。 稲取温泉は、「つるしびな」やキンメダイなどが名物だが、同協会によると、バブル崩壊とともに観光客が減少。昨年の年間宿泊者数はピーク時の15年前に比べ4割減の約48万人にまで減った。協会は「身内だけでは変化は期待できない。外部から客観的に情勢を把握できる人を招こう」と昨年11月、事務局長職の全国公募に踏み切った。 当初、400人程度とみていた応募者は、ふたを開けてみると1200人を軽く突破した。団塊の世代が半分以上を占め、20代の若者や86歳のお年寄りのほか、海外居住者も5人いたという。 このうち最終審査に臨んだ男性15人、女性5人は自営業、元広告会社員、現職の自治体職員ら。応募の動機は「退職後何かしたかった。経営の仕事で得た知識を温泉復興に生かしたい」=東京都、元会社社長、尾上進勇(ゆきを)さん(62)、「温泉街を立て直す仕事にやりがいを感じた」=同、NPO事務局長、渡邉法子さん(46)=などさまざまだ。 最終審査は、5人ずつの集団面接で観光振興策などについてアイデアを聞いた後、夜は一杯やりながらの懇親会パーティーが催された。このパーティーも実は審査の一環で、「コミュニケーション能力をみた」(同協会)という。審査を受けた都内の旅行ライター、柳澤美樹子さん(45)は「最終審査は意表をつかれたが、言いたいことは全部言えた。受かれば、中1の娘と一緒に引っ越します」と話した。 新事務局長に貸与されるのは町内の海沿いにある2階建ての中古住宅。水道光熱費は実費だが、家賃は同協会が負担する。任期は2年。集客増などの実績を上げれば再雇用、特別報酬もあるという。【浜中慎哉】
by mo_gu_sa
| 2007-02-04 20:44
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