ギターや映像展示 大阪・国立民族学博物館
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20070129/20070129_015.shtml 大分県別府市の夜の繁華街で半世紀以上“流しの演歌師”として活躍してきた2人組「はっちゃん・ぶんちゃん」の楽器や演奏映像が、大阪府吹田市の国立民族学博物館に展示されることになった。昭和の盛り場文化が、人々の記憶だけでなく記録として伝えられる絶好の機会となりそうだ。 2人組は、広島県生まれのはっちゃん(80)=本名・上野初さん、ギター=と、別府市出身のぶんちゃん(74)=同・日浦文明さん、アコーディオン=。コンビで流しを始めたのは1955年ごろ。最盛期の60年前後は、毎日夜7時ごろから深夜まで宴会やスナックで引っ張りだこで、レパートリーは8000曲以上ある。 だが、80年代にカラオケが登場すると仕事は激減。別府市内で最高二十数人いた同業者は次々と廃業に追い込まれてしまった。2人も一時は引退。しかし地元の町おこしグループの要請で2000年に復帰し、現在は観光客対象に月2回行われている温泉街の散策ツアー「竹瓦(たけがわら)・夜の路地裏散歩」で演奏を披露している。 5年前には「別府観光の父」とされる実業家油屋熊八(1863‐1935)をモデルにした中村勘九郎(現勘三郎)さん主演の喜劇「地獄めぐり」にも流し役で出演した。 世界各国の民族の生活文化などについて展示研究する同博物館は、09年中をめどに展示内容を一新する予定。音楽展示担当の笹原亮二助教授(47)=民俗学=がコンビのことを聞き付け、26日に別府を訪ねて協力を依頼し、快諾を得た。 同助教授は「全国的にもこれだけの歴史を持つ現役の流しのコンビはいないだろう。戦後日本の盛り場文化を体現している」と絶賛する。 展示では「日本でのギターの楽しみ方」の一つとして“流し”を紹介。はっちゃんのギターを展示し、最近の演奏映像も流す予定。2人は「音楽が人一倍好きで演奏を続けてきた。庶民の文化を伝えることができてうれしい。できれば博物館でも演奏したい」と声を弾ませている。 【写真】女性ガイドの歌に合わせ演奏を披露するはっちゃん(左)とぶんちゃん=26日夜、大分県別府市 =2007/01/29付 西日本新聞夕刊=
by mo_gu_sa
| 2007-01-29 14:42
| 大分
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