取材前線:島原半島ジオパークの問題点 運営へ市民のアイデアも /長崎

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 島原半島で開かれた第5回ジオパーク国際ユネスコ会議が15日閉幕した。学術会議だけでなく市民フォーラムがあり、市民ボランティアが海外からの参加者を外国語でもてなし、ジオサイト(見どころ)でガイドした。会議を取材して、行政主導で進めるジオパーク運営の問題点も見えてきた。【古賀亮至】

 島原半島ジオパークは09年の「世界」認定から今回の会議誘致まで、島原市の横田修一郎市長が推進連絡協議会会長となって進めてきた。09年には6月3日の大火砕流犠牲者を悼む市の「いのりの日」にまで東京出張し、国など関係機関に認定の陳情をした。

 会議に対する島原半島の3市には温度差があった。主会場となった島原市は13日、中学校全5校は例年ならこの日曜日にある体育大会を1週間後に延ばした。この日は会議2日目で、子どもフォーラムや火山教室など子ども向けイベントが目白押しだったためだ。だが、雲仙市6校(あと2校は秋開催)▽南島原市全8校はそれぞれ「例年通り」体育大会を開いた。2市の中学生や父母からは「国際会議に触れるチャンスなのに」と不満が漏れた。体育大会の開催は校長の裁量だが、ある校長は「島原市のための会議になっていたから」と語った。

 行政主体の運営を巡り、「前例踏襲」「マニュアル通り」との批判もあった。ジオサイトでボランティアガイドをした元高校教諭、満行豊人さんは、会議事務局がガイドのマニュアルを作ったことを疑問視する。07年に島原市であった火山都市国際会議でも同様のマニュアルを拒否して独自の地質の勉強と災害体験の語りでガイドした。「被災者を掘り起こしてガイドの横で語ってもらうなど知恵を絞ったらどうか」

 島原半島ジオパークは来年、世界ジオパークネットワークから「世界」認定4年目の再審査を受ける。課題の一つに「持続可能な運営体制」があり、3市と県の職員が2年交代で入る事務局の体制が問われている。課題をクリアできなければ認定取り消しもあるという。

 欧州は民間NGOが、中国では国が主に運営する。島原半島は自治体の寄せ集め的な運営と見られているようだ。杉本伸一・島原半島ジオパーク推進連絡協議会事務局次長は「4年間の実績を見て日本式を理解してもらう」と述べた。

 3市と六つの観光協会の連携を訴える雲仙市小浜温泉の旅館おかみの草野有美子さん。「行政には組織を作ってもらった。あとは市民がそことコミュニケーションを取って、ジオパークをいかに活用するかだ」と話す。

 ジオパークは地形、地層だけでなく、湧水(ゆうすい)や土壌など大地の恵みを利用する住民の暮らしや歴史・文化を含めて見せる公園。住民そのものが観光資源であり、地質や防災の教科書となる。住民が運営に関わっていろいろなアイデアを出したらどうか。でないと、きれいだけど刺激のない風景、仕事のために訪れる場所になりはしないか。役所のような。
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by mo_gu_sa | 2012-05-21 13:02 | 長崎


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