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地熱、風力発電懸念、温泉協会などが要望書(山形)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20120515-OYT8T01304.htm

 「卒原発」を掲げ、風力や地熱など再生可能エネルギーを利用した発電の普及を目指す県の計画を巡り、県温泉協会(堀是治会長)が、無秩序な地熱発電の開発に反対する要望書を吉村知事宛てに提出していたことが15日、わかった。自然保護団体も、自然公園内で風力発電所などを建設しないよう求める要望書を出しており、2030年までに原発1基分の再生可能エネルギー創出を目指す県の計画を懸念する動きが相次いでいる。

 地熱発電は、地下約2000メートルまで穴を掘って高温の蒸気を取り出し、タービンを回転させて発電する。県温泉協会では、地中を複数か所掘削するため、源泉への影響を懸念している。

 県は今年3月、再生可能エネルギーを普及させるための県エネルギー戦略を策定。地熱発電は「大きなパワーを生み出す電源として開発・活用を促進する」とし、30年までに出力3万キロ・ワットの発電施設2基相当の導入を進める方針だ。

 4月23日付で同協会が出した要望書では「温泉資源保護のため、周辺の温泉に影響を及ぼす恐れのある地域での無秩序な地熱開発に断固反対」などとしている。

 その上で、地熱開発の条件として、「地元自治体や温泉関係者などとの事前合意」「事業者と温泉事業者、自然保護団体などで構成する協議会設置」「過剰採取の規制」「影響を受けた温泉源復旧に関する補償の明文化」などを提示した。

 堀会長は「温泉旅館は温泉法に基づき地下資源を守りながら営業してきた。原発に依存しないエネルギー戦略に理解はできるが、源泉に影響を与えたら取り返しがつかなくなる」と話す。

 地熱発電を巡っては、国などが、福島県の磐梯朝日国立公園周辺で合計最大出力27万キロ・ワットの発電所を建設する計画を立てており、福島市など地元の温泉関係者が「温泉資源が枯渇する」などと反対。群馬県の草津温泉(草津町)でも08年、隣接する嬬恋村の地熱発電構想に対して温泉関係者から、「温泉の湧出に影響が出る」などと反対運動が起こった。

 また、県が、これまで認めてこなかった自然公園内での風力発電所建設を促進する方針を示したことに対し、県自然保護団体協議会(太田道徳会長)も4月中旬、風力発電や地熱発電の造成を認めないよう求める要望書を県に提出した。

 県環境エネルギー部の森谷俊雄部長は「要望はしっかりと受け止める。県としては再生可能エネルギーを進めていくが、意見を聞きながら環境との調和を図って進めたい」としている。

(2012年5月16日 読売新聞)
by mo_gu_sa | 2012-05-16 00:00 | その他


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