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佐賀観光のプラン発掘に議論白熱

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 温泉、焼き物、豊かな海、山の幸…。素材は魅力的にもかかわらず、低迷を続ける佐賀観光。こんな現状に風穴をあけようと、県や県内全市の観光担当職員や観光協会関係者が県庁に定期的に集まり、旅行会社に提案するプランづくりに向け熱心に議論を交わしている。担当者が頻繁に集まるのはめずらしく、連携を強めるのはもちろん、それぞれが身近すぎて気付かなかった素材を掘り起こし、観光浮揚を目指す作戦だ。議論の様子を取材した。

 4月中旬の午後2時すぎ、県庁地下1階の食堂。県と佐賀、嬉野、鳥栖各市の観光担当者6人がテーブルを囲んだ。

 「観光資源は充実しているのに売り出し方がいまひとつ」「佐賀は米どころで日本酒王国。フランスのワイン産地にあやかって“佐賀のボルドー”と銘打ったら」

 議題は今年秋から冬にかけての観光プラン。今月16日から、都内で開かれる旅行会社の関係者を一堂に集めた説明会で披露する内容。「佐賀入り~観光地巡り~宿泊先」のルートも再確認した。

 「時には議論が脱線することもあるのですが…」と、会議の開催を呼び掛けた県観光連盟の大屋成史さん(46)。「自由闊達(かったつ)な意見交換が、観光素材の新たな発掘につながることもあるんです」

 この日の会議は3時間を超えた。

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 県によると、県内の観光客数は「世界・〓の博覧会」が開催された1996年の3349万7千人をピークに減少をたどり、2010年は2993万4千人に落ち込んだ。

 担当者が集う会議は県観光連盟の呼び掛けで2007年度から始まった。当初は県内10市と有田町が参加。10年度に太良町、11年度には基山町が加わり、月に一度のペースで議論する。

 九州各県と同様、佐賀県も県観光連盟が中心となり首都圏や関西圏の旅行会社に観光スポットを巡るプランの商品化を要請している。しかし「県内の名所を示すだけで、漠然と『観光』と銘打ってPRしていた。具体性にも乏しかった」(大屋さん)。

 「佐賀を挙げて取り組むにはどうするか」「一つでは魅力が薄くてもボリューム感で勝負すれば」「きめ細かなプラン提案を」-。こんな思いが、地域に散らばる観光担当者の“結集”につながったという。

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 これまで独自に活動してきた担当者の意識も変わってきた。「自治体単独のプランは限界がありましたが、例えば温泉旅館と観光スポットを組み合わせると幅が広がります」と、嬉野温泉がある嬉野市観光商工課の品川安代さん(35)。

 市町連携も具体化した。佐賀、伊万里、唐津各市と有田町で2~3月にそれぞれ開かれたひな祭りイベントで初めてスタンプラリーを実施。佐賀観光協会の小野健司さん(36)は「これから先も連携を継続し、集客アップにつなげたい」と話す。

 旅行会社に持ち込んでいたかつての企画書は5ページ前後だったが、現在は30ページ超。会議を通して各地の見どころだけでなく地域性、歴史性をそれぞれが学んでいるため、プランを説明する際、説得力が増すようになったという。「県域が“こぢんまり”としているため、みんな集まりやすいんです」と、大屋さんは話す。

※文中の〓は「火」の下に「火火」

【写真】県庁食堂で議論する観光担当の職員たち

=2012/05/13付 西日本新聞朝刊=
by mo_gu_sa | 2012-05-13 09:41 | 佐賀


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