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明日へつなぐ<石見活性化企画> : 第10部・石見のいで湯(4) 湯抱温泉(美郷町湯抱)
http://www.sanin-chuo.co.jp/edu/modules/news/article.php?storyid=530167243

 創作家と地元連携へ機運

 万葉歌人・柿本人麻呂の終焉(しゅうえん)の地とされる鴨山のふもとで、ひなびた風情を感じさせる湯抱温泉(島根県美郷町湯抱)。周辺には陶芸や造花の工房やギャラリーが点在し、UIターンした創作家らの活動が山あいの静かな温泉地に彩りを添え、にぎわい再生を目指す地元旅館との間に連携の機運が芽生え始めた。

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 湯抱から大田市に向かう国道を見下ろす山の高台に、ろう細工を施して色鮮やかで精巧な造花を製作・展示する「あーと工房ぷち」が2011年春にオープンした。

 大阪府からIターンした造花作家の河野富美子さん(59)が空き家を改修し、アクセサリーなどの木工製品をつくる夫の登志男さん(58)の仕事場も併設。「山に咲き誇る花々を見ると、創作のアイデアが湧き上がる」と話す富美子さんに、登志男さんが「落ち着いた雰囲気がいい」と応じる。湯抱は、河野さん夫妻にとって絶好の創作の場となった。

 河野さんの工房から約300メートル東の温泉旅館「神湯なかだ」裏には、30年前にUターンし、石見鴨山(おおざん)窯を構える陶芸家の森山良二さん(64)が、作品展示のために自宅の古民家を活用して開設した「ギャラリー森山」がある。

 06年から毎年春と秋に開く陶芸まつりには、温かみのある作品を目当てに多くの愛好家が来訪。妻で女性誌を舞台に活躍している漫画家の玉枝さん(58)の仕事場も隣接し、湯抱の新たな名所として定着している。

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 柿本人麻呂が歌を詠んだ万葉の時代から、人々の病を癒やしたと伝えられる温泉地。江の川支流の湯抱川沿いに明治時代後期以降、日の出旅館など4軒の温泉旅館が相次いで開業した。

 塩分を多く含む茶褐色の湯はリウマチや神経痛に効果があり、古くから湯治客が詰めかけた。1950年代初頭には、江の川のダム開発に携わる作業員らが大挙して宿泊。毎晩のように宴会があり、三味線や太鼓が鳴り響くにぎわいだったという。

 しかし、バブル崩壊以降は厳しい経済状況を受け、客数は徐々に減少。旅館2軒が廃業に追い込まれるなど長期低迷の傾向を覆せないでいる。

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 森山さんが昨年6月に開設した真新しい陶芸教室に25日夜、森山、河野両夫妻と、河野さんに触発されて竹細工を始めた前部公志さん(66)ら湯抱で活動する創作家たちが一堂に会した。

 湯抱温泉のにぎわい創出を目指す中村旅館の熊谷勉さん(60)が、多彩な創作家の存在に着目して呼び掛けた会合で、旅館街でかつてリーダー役を務めた青山邦晴さん(67)と、町おこしグループ「かもやま倶楽部」会長の果瀬良光さん(55)も加わった。

 森山さんは「創作家の活動拠点が集積すれば、文化の薫り高い温泉と芸術の村になる」と提唱。「妻の作品を展示する漫画館も造りたい」とアイデアを披露すると、熊谷さんも「旅館や観光施設に加え、工房なども紹介するマップを作ったらどうか」と応じた。

 熱のこもった議論は夜更けまで続き、メンバーからは「定期的に集まり、できることから始めよう」との声も上がった。湯抱再生に向けた第一歩の会合で、機運の盛り上がりを肌で感じた熊谷さん。「相互に連携すれば、魅力向上はきっと図れる」と確信している。

【写真】温泉街を歩きながら、連携策のアイデアを出し合う旅館関係者や創作家たち=島根県美郷町湯抱

 邑智郡内の温泉 美郷町には源泉が足元から湧き出る秘湯・千原温泉、江の川を望む潮温泉「大和荘」がある。川本町には戦国大名・小笠原氏の菩提(ぼだい)寺の長江寺隣に湯谷温泉「弥山荘」、邑南町には香木の森公園を見下ろすいわみ温泉「霧の湯」があり、いずれも豊かな自然や歴史ロマンあふれる温泉地。
by mo_gu_sa | 2012-01-30 14:50 | その他


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