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明日へつなぐ<石見活性化企画> : 第10部・石見のいで湯(1) 美都温泉(益田市美都町)

http://www.sanin-chuo.co.jp/edu/modules/news/article.php?storyid=529812243 明日へつなぐ<石見活性化企画> :  第10部・石見のいで湯(1) 美都温泉(益田市美都町) _e0113829_2371167.jpg

 集客力活用し地域づくり

 益田市美都町宇津川の美都温泉「湯元館」で、同町特産のユズを浮かべた露天風呂にゆっくりと身を沈めるのは、近くに住む村上真友さん(79)。この温泉にほれこんで、10年ほど前にUターンした。

 村上さんは益田市隅村町出身。大手企業の社員として、長く長野県内で勤務していた。

 趣味の一つは温泉巡り。長野、山梨両県を中心に約300カ所の温泉に入ったが、一番気に入ったのは、里帰りの時に漬かった美都温泉だった。

 益田市内の親族に促され、Uターンを決めた時、温泉にすぐ行けるようにと湯元館近くに居を構えた。

 「泉質が自分の体にぴったり合っている」という村上さん。毎朝、一番風呂に入るのが日課で、寒さがこたえる冬には朝と夜の2回、入浴することもあり、「温泉のおかげで長生きしている」と笑う。

 午前10時の開館時には、一番風呂を楽しみにする人たちで行列ができる湯元館は、旧美都町が「ふるさと創生事業」を活用し1991年5月に開館。泉質はアルカリ性単純温泉で泉温は33・5度。神経痛や筋肉痛、冷え性などに効能があるという。

 湯元館には外湯のほか、地元食材を中心にした料理を提供する飲食店も併設。手軽に利用できる温泉として人気を集め、ピークの93年度には15万9千人が利用した。

 しかし、利用者数は次第に減少。2010年度の利用者数は、ピーク時を26%下回る11万8千人に落ち込んだ。

 益田市美都総合支所経済課の高橋和則課長は「周辺に競合する温泉施設が開館したため、利用者が減少傾向にある」と話す。

 減少した利用者数の増加と美都温泉を核にした地域活性化は市の大きな命題で、昨年7月には1200万円を投じて同館隣接地に産直市「あったか市」を開設。主に美都町内の生産者が野菜や加工品を出品・販売し、てこ入れを図った。

 湯元館を運営する第三セクターの株式会社「エイト」(益田市美都町)は毎年5月に温泉まつりを開催。6月には、町内の川沿いに飛び交うホタルを観賞するバスを運行するなど、ソフト面での魅力アップに取り組む。

 地元住民らによる、温泉施設を核にしたにぎわい創出への動きも出始めた。昨年秋には初めて、益田市周辺のそば打ち愛好団体によるイベント「そばサミット」が開かれ、5団体のそばが味わえるとあって約3千人が訪れる盛況ぶりだった。

 イベントを中心になって主催した、同市内の国道191号沿線の地域振興に取り組む191交流協議会「輝」(かがやき)の大庭完会長は「美都温泉の集客力を活用し、魅力ある地域づくりに取り組みたい」と強調する。

 2012年の元日、湯元館では恒例の新春神楽鑑賞会が開かれ、約200人が市内の社中の舞を堪能した。同館の松原己寿生館長は「温泉と地域が共存共栄となるよう、知恵を絞りたい」と話した。

【写真】美都温泉「湯元館」の露天風呂を楽しむ村上真友さん=益田市美都町宇津川、同館

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 いにしえから石見の地に伝わる温泉をめぐって、新しい動きがある。泉質の良さを求めてやってきたUターン者やまちづくりの鍵としての活用、再開発など、温泉にかかわる人模様を追い、その魅力と可能性を探る。
by mo_gu_sa | 2012-01-09 18:45 | その他


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