http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110223k0000e040065000c.html
湯のまち、大分県別府市の砂湯で観光客に砂を掛け続けて14年。独自の技術で「砂掛けさん」として観光客を楽しませてきた井村節子さん(63)が22日、市内の市営温泉などを管理する市綜合振興センターの初代「砂掛けマイスター」に認定された。 温泉で熱した砂を体に掛けて温めるのが砂湯。同センターが管理する砂湯は市内に2カ所あり、井村さんはそのうちの一つ「別府海浜砂湯」で働く。砂掛け担当職員は井村さんの他12人いるが、接客や後継者育成などをまとめたレポートと実技試験で井村さんが「初代」に選ばれた。 井村さんは別府市の短大を卒業後、横浜市で幼稚園教諭に。95年、甲状腺の病気治療のため別府市に戻った。甲状腺摘出の影響で一時は声も出ないほど。「しゃべる訓練につなげたい」と英会話教室に通い、「体も動した方がいい」との医師の勧めもあって96年、砂掛けに。仕事を通して体力も回復した。 砂掛けには独自の工夫を積み重ねた。客の腹の上だけではなく、背中や腰、首のツボの下に熱い砂を押し込んで刺激する。 3年間習った英語に加え、独学で覚えた仏、独、中、韓、タイ語でもあいさつし、外国人観光客も和ませる。認定されたこの日もフランス人観光客に笑顔で「セボン(気持ちいい)?」とうかがいながら砂を掛けた。 「砂を掛け、声をかけ、お客さんに寄り添いながら、体が続く限り仕事を続けていきたい」と話す井村さん。客がもう一度訪ねたくなる、そんなもてなしを自らに、そして後継者にも課している。【祝部幹雄】 【写真】フランス人観光客の肩の下に砂を押し込む井村さん。簡単なあいさつを交わしながら笑顔で仕事を進める=大分県別府市上人ケ浜町の別府海浜砂湯で、祝部幹雄撮影 毎日新聞 2011年2月23日 14時37分(最終更新 2月23日 15時01分)
by mo_gu_sa
| 2011-02-23 14:37
| 大分
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