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別府八湯・名人への道:/82 一遍上人に思いはせ /大分

http://mainichi.jp/area/oita/news/20110108ddlk44040577000c.html

 鶴見岳が雪で真っ白に染まった年末のある日、長女日向子(5)、長男裕紀(2)を連れ、温泉閣の露天風呂に出かけた。

 鉄輪温泉を開いたとされる時宗開祖・一遍上人ゆかりの温泉山永福寺と隣り合う、落ち着いた雰囲気の宿だ。もともとは、明治中期に再興された永福寺に併設された宿坊だった。河野忠之社長(68)は「はっきり記録はないが、父が1935年に旅館組合の旅行に参加した写真が残っている。この頃までには寺から分かれていたようだ」と説明する。

 昔は、湯治を兼ねて広島県などから僧侶と共にやって来る信徒が数多く泊まった。近年は冬の湯治客だけではなく、1年を通して宿泊客が訪れるようになった。1999年に建てられた風情のある露天風呂の湯は湯冷めしにくく、寒空の下でもゆったりと入浴を楽しめる。

 ゆっくりと体を温めて外に出ると、日向子は寺の本堂を懐かしそうに眺めていた。「ここ、お稚児さんの時に来たな」。一遍上人への感謝を伝える湯あみ祭りの稚児行列に日向子が参加したのは昨年9月。日向子にとって、憧れのかわいい衣装を着て歩いた思い出の場所でもある。

 筆者と日向子は名人襲名まで残り2湯となった。

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 ◇御宿温泉閣(風呂本)

 源泉は敷地内から吹き出す100度の塩化ナトリウム泉。メタケイ酸も豊富で肌がしっとりする。立ち寄り湯は午前10時~午後3時で入浴料500円(小学生300円)。問い合わせは0977・66・1767。

毎日新聞 2011年1月8日 地方版
by mo_gu_sa | 2011-01-08 00:00 | 大分


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