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新幹線物語:3月12日・全線開業/2 指宿のたまて箱 /鹿児島

http://mainichi.jp/area/kagoshima/news/20110104ddlk46040250000c.html?inb=yt

 ◇女性ひきつけブーム狙う

 薩摩半島南端のまち・指宿。九州新幹線の駅は無いが、“いぶたま”こと観光特急「指宿のたまて箱」が今春、新登場する。指宿市十二町の指宿ロイヤルホテル女将(おかみ)で「いぶすき絆(きずな)プロジェクト」のリーダー、細川いづみさん(58)は「この機に観光客を呼び込む仕掛けを」と意気込む。

 プロジェクトは、市内のホテルに勤務する20~30代の従業員10人で構成。イベント企画や情報発信をする。

 チーム名は、3~10月の干潮時、薩摩半島と細長い砂地で結ばれる市沖合の知林ケ島を「絆の島」として売り出したいことから名付けた。「観光客同士が絆を深めてほしい」との思いが込められ、恋人や家族で島に渡れば絆が深まる「縁結びの島」--と積極アピール。旅行会社のホームページにリンクさせるなどインターネットに力を入れる。

 隣接の南九州市も含めた南薩を舞台に、見どころを集めた情報誌や観光地を巡るスタンプラリーも計画。キーワードは特急名と同じ「玉手箱」だ。指宿の景勝地・長崎鼻には竜宮神社があり、近くにウミガメの産卵場所がある一帯には浦島太郎伝説が残る。細川さんは「芸能人がひそかに訪れるパワースポットもあり新たな名所候補。若い人のアイデアや情報収集力は侮れませんね」と感心する。

 00年12月に女将6人で発足した「いぶすき温泉華の会」メンバー。これまで温泉水を使った化粧水の開発など観光・地域振興に一役買ってきた。

 1960年代、宮崎-指宿ルートは新婚旅行のメッカだった。72年に本土復帰した沖縄にその地位を奪われ、右肩下がりに。温泉や1月の「菜の花マラソン」などで人の流れを取り戻してきたが、近年は08年の世界不況、09年の宮崎の口蹄疫(こうていえき)とマイナス要因が続く。

 新幹線の終着駅・鹿児島中央から約50キロ。全線開業を機にかつて新婚さんが引き込まれたように若い層、特に女性を引きつけ、ブームを起こしたいと意気込む。「特急いぶたまに乗って」と細川さん。「南薩の温泉、もてなしの心、そして新たな出会い……。きっと自分だけの『玉手箱』が見つかります」。開業まで若者たちとアイデアを練る日々だ。【福岡静哉】=つづく

毎日新聞 2011年1月4日 地方版
by mo_gu_sa | 2011-01-04 12:38 | 鹿児島


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