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毎日新聞 2010年9月12日 地方版

http://mainichi.jp/area/oita/news/20100912ddlk44040427000c.html

 別府市明礬(みょうばん)の雑木林で、神戸市の看護師、横手宏美さん(28)が絞殺体で見つかった事件は、11日で遺体発見から1週間。横手さんは九州旅行中で、楽しいはずの夏休みが一転悲劇に。県警は連日130人態勢で捜査に当たるが、現場は山奥の秘湯周辺で有力な目撃情報はなく、犯人につながる手掛かりは見つかっていない。【祝部幹雄、佐野優、高芝菜穂子、深津誠、田中理知】

 ◇足取り

 横手さんは、夏休みを利用して、8月28日に神戸を出発し、軽自動車で九州旅行に。大分入りする前日の8月30日は、その日午前にネット予約した宮崎市内のビジネスホテルに泊まった。ホテル経営者の妻(60)は、「1人で泊まり、変わった様子はなかった」と話す。

 ある捜査幹部は「几帳面(きちょうめん)な女性らしい。軽自動車内に残された日記には、細かく行動をメモしていた」と話す。それが、31日夕に「大分温泉巡り」などと、大分県入りし温泉に入った趣旨の記述で終わっていたという。また、同日夜に母親が送ったメールにいつもある返信はなかった。

 ◇秘湯へ

 旅行中、家族に「別府の山の上にある温泉に行く」と伝えており、横手さんは現場に軽自動車を止め、西側へ約500メートル離れた無人の露天温泉「鍋山の湯」を徒歩で目指したとみられる。

 31日夜、別府市内のホテルや旅館に横手さんが宿泊した形跡は今のところなく、同日夜に事件に巻き込まれたという見方が有力だ。また、鍋山の湯から、別府の街の夜景が見えることが温泉愛好者の中では知られていた。

 ◇乏しい手がかり

 「厳しい」。捜査幹部の1人は、現場周辺での有力な目撃情報がないことを嘆く。現場は露天温泉が点在する人家のない山中。温泉客以外、行き来する人はほとんどいない。県警は、31日午後、鍋山の湯に行った外国人女性観光客がいたため、横手さんや不審者を目撃していないか話を聞こうと市内の全宿泊施設に、泊まっていないか照会したほどだ。

 所持品では、携帯電話、免許証とともに、財布、高級バッグなど貴重品が見つかっていない。現場周辺では、温泉客らを狙った車上荒らし(07年41件、08年11件の被害届)が多発しているため、財布、バッグとデジタルカメラについては換金した可能性もあるとみて、質屋などに照会しているが難航している。

 県警は現場の捜索について、半径約2キロに範囲を広げた。草を刈り、遺留品などの発見に全力を挙げている。

 情報提供は別府署(0977・21・2131)まで。

 ◇事件の経過

8月28~29日    神戸を出発、福岡、熊本、鹿児島の各県をまわる

  30日       宮崎市泊

  31日9~10時  ホテル出発

    同14時    母親に「宮崎にいる」とメール

    同夕      日記に「大分温泉巡り」などと大分県入りした趣旨の記述

    同17時    現場から約10キロの「竹瓦温泉」で入浴?

    同18時16分 現場から約5キロのガソリンスタンドの防犯カメラに横手さんの軽自動車とよく似た車が映る

    同夜      母親がメールするも返信なし

9月 1日13時    通行人が横手さんの軽自動車を、現場で発見

    同20時    母親が再度メール。返信なし

   2日       警察に捜索願

   3日夕      まだ、現場に軽自動車があるため、1日の通行人が警察に届け出

   4日 9時    捜索していた警官が遺体発見

毎日新聞 2010年9月12日 地方版
by mo_gu_sa | 2010-09-12 00:00 | 大分


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