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APEC別府会合 泉都染める“国際色”

http://www.oita-press.co.jp/localNews/2010_128122845063.htmlAPEC別府会合 泉都染める“国際色”_e0113829_2357785.jpg

 別府市で始まったアジア太平洋経済協力会議(APEC)の成長戦略ハイレベル会合は初日の7日、21の国・地域の代表らが「均衡ある成長」や環境に配慮した「持続可能な成長」を実現するための課題、それを達成する仕組みづくりをどうするかについて議論した。
 会合は非公開。終了後、共同議長の一人の直嶋正行経産相は「具体的なアクションを行動計画に仕上げて、フォローアップ(進行状況を確認)する方針は共有できた」と述べ、成長戦略を具体化する行動計画の策定に意欲を示した。2015年をめどにした各種の目標を掲げる案も出たという。8日は議長総括をまとめる予定。
 会合では、各国・地域が均衡ある成長のために年金制度や規制緩和などの構造改革をさらに進める必要性が指摘され、具体的な指標を設けることも検討された。「安全な成長」のために食料や水の安全の保障、自然災害の防止も重要な課題として挙がったという。
 もう一人の議長の荒井聡国家戦略担当相は「日本は昨年末に新成長戦略を策定していたので、日本でも課題になるグリーンイノベーション(環境関連の技術革新)や格差の問題でどういう貢献ができるかを議論できた」と述べた。
 会合には各国・地域の政府高官、専門家、産業界のトップや国際機関の幹部が出席。随行の関係者も含めると約200人が集まっている。
 8日はIT(情報技術)の利活用など技術革新による成長や、中小企業への支援、女性の就業機会拡大といった成長のすそ野を広げる方策を議論する予定。

 7日に始まったアジア太平洋経済協力会議(APEC)の成長戦略ハイレベル会合。舞台となった別府市のビーコンプラザは、21の国・地域から訪れた政府高官らと、ボランティアの留学生たちが行き交い、“国際色”に染まった。世界に「OITA」「BEPPU」を発信する好機とあって、地元関係者もアピールに熱が入った。

 学生会議の成果提言
 ○…学生APECに参加した県内の学生4人が議論の成果を提言書にまとめ、直嶋正行経産相と荒井聡国家戦略担当相に手渡した。
 学生APECは7月3日、APEC県内開催の記念行事の一環で開催。県内の大学で学ぶ国内外の学生8人が意見交換した。
 提言書は「アジア太平洋地域のすべての国と地域が良きパートナーとして、共に成長していくことが重要」と結論付け、女性登用の拡大や、環境対策への積極的な取り組みが必要―などとした。
 立命館アジア太平洋大学4年のハナ・ヒューズさん(21)=オーストラリア出身=は「とても貴重な機会になった」と話していた。

 留学生40人が活躍
 ○…会場では県内の大学に通う4カ国の留学生約40人がボランティアスタッフとして活躍。英語、日本語、母国語を駆使して受付や誘導、同時通訳機の使い方の説明などをした。
 大分大学4年の周笑汀さん(中国出身)は受付を担当。「留学生としてできる限りの手助けをしたいと思って参加した。国際会議にかかわることができ、素晴らしい経験になった」と話した。
 立命館アジア太平洋大学2年のティーニダー・キットジャウィジットさん(タイ出身)は「外国からの参加者を関係者用入り口に誘導した。大学の体験入学で高校生を案内した経験を生かせた」と笑顔だった。

 湯の花の製造紹介
 ○…会場内の別府市ブースでは国指定重要無形民俗文化財の「湯の花製造技術」を紹介した。明礬温泉の観光施設「湯の里」が作製した湯の花小屋模型を設置。温泉噴気を利用する製造方法の説明や、湯の花を材料にした化粧品も展示した。「従来の観光PRとは趣向を変えた。温泉を活用した伝統産業を深く知ってもらいたい」と松永徹・市観光まちづくり課長(53)。
 案内所にはまちづくりグループが発行した温泉に入浴できる地域通貨「インターナショナル湯路(ゆーろ)」を置き、温泉都市・別府をアピールした。

 「もてなしに満足」
 ○…会合には21の国・地域から政府関係者や随行者を含め約200人が参加している。
 駐日カナダ大使のジョナサン・T・フリード氏は「別府市はカナダでも人気のある観光都市で、立命館アジア太平洋大学とは留学生を通しての交流もある。会合開催の協力者である県や別府市、地元のボランティアの手厚いもてなしに満足している」と話していた。

【写真】非公開で行われた成長戦略ハイレベル会合=7日午後、別府市のビーコンプラザ
by mo_gu_sa | 2010-08-08 09:43 | 大分


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