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別府市大火から3ヵ月 再建へのつち音間近に 共同温泉は「難航」

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/165126別府市大火から3ヵ月 再建へのつち音間近に 共同温泉は「難航」_e0113829_20121265.jpg

 別府市光町で1月、23棟を全焼し1人が死亡した大火から13日で3カ月が過ぎた。火災現場に高く積まれていた「がれき」はきれいに撤去された。住宅や店舗の再建に向けた動きも始まり、工事のつち音が響く日も近い。ただ、地域のシンボルである共同温泉再興のめどは立っていない。

 火災現場に積まれていたがれきは、県建設業協会別府支部などが土地の境界が確定した3月中旬から、ボランティアで撤去作業に当たり、4月1日には完全に姿を消した。竹工芸の仕事場となるプレハブが建ったのをはじめ、住宅や店舗の安全祈願祭などが行われた。

 くま手などの竹工芸品を製作する三重野正友さん(65)は、プレハブでの作業を始めた。三重野さんは「少しずつ動きだしている。とにかく仕事をしていかないと」と表情を引き締める。

 ただ、コンクリートなどを除いた最終処分費用945万円は、建物所有者がそれぞれの延べ床面積に応じて負担する。「通常に比べれば破格」だが、10万円ほどから100万円を超す出費が約20世帯の建物所有者に痛手なのは間違いない。

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 市が緊急支援として打ち出した市営住宅の家賃無償期間は3カ月で、現在12世帯19人が入居している。期限が過ぎれば、有償で入居を続けるか、転居することになり、市が意向調査をしている。

 市営住宅に移った70歳代の女性は度々、火災現場を訪れる。女性は「やっぱり、知り合いのいる地に住み続けたい」と住宅の建て替えを決めた。

 一方で、80歳近い母親と市営住宅に移り住んだ藤田浩明さん(49)は生まれ育った家の再建を断念した。借地だったためで、藤田さんは「寂しさは消えない。今は、現場近くを通らないようにしている」とポツリ。

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 火災前、1日に地域の人たち数百人が利用していたという共同温泉・此花(このはな)温泉。地元自治会は「復興のシンボルにしたい」と意気込んでいるが、作業は難航している。

 建築基準法では、温泉から道路に出るための路地の幅は最低2メートルが必要だ。現地での建て替えには、土地を取得して路地を拡幅する必要があるが、めどは立たない。常連だった女性は「遠くまで通うのは不便。早く再建してほしい」と望む。周辺住民の中には、車に相乗りして市内の別の温泉に通う人たちもいる。

 全国の温泉ファンからの募金や火災保険、積み立て金を使って再興を目指す地元自治会の星野隆昭会長は「地域が本当に復興するためには、此花温泉が必要だ。遅くても年内には建て終えたい」と話している。

【写真】竹製品が並べられた、別府市の火災現場に建ったプレハブの作業場前

=2010/04/14付 西日本新聞朝刊=
by mo_gu_sa | 2010-04-14 02:18 | 大分


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