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銭湯に熱い思い 高崎の会社員、自費で紹介本

http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/100315/gnm1003150247001-n1.htm

 情緒あふれる温泉街や、大型入浴施設が競い合う群馬。その陰で、ひっそりと消えゆく群馬県内の銭湯を記録に残そうと、高崎市の会社員、抜井(ぬくい)諒一さん(27)が「群馬伝統 銭湯大全」を自費出版した。県公衆浴場業環境衛生同業組合登録の9市の銭湯32軒を網羅。番台や客との会話のやりとりも盛り込まれ、各銭湯の雰囲気が味わえる。抜井さんは「かつては市民生活の中心にあった銭湯の魅力を知るきっかけになれば」と話している。(時吉達也)

 高崎市内で生まれ育ち、就職を機に上京するまで、銭湯に入ったことがなかったという抜井さん。東京都北区の下町での生活で、手ぬぐい入りの風呂おけを片手に歩く人々の後を追い銭湯ののれんをくぐってみたところ、番台や瓶牛乳、タイル絵の富士山といった「映画で見た世界」(抜井さん)に衝撃を受け、銭湯に魅了された。

 転職して群馬に戻った平成20年、道に迷って偶然煙突を発見した高崎市内の銭湯を皮切りに、店主や客の情報をもとに県内の銭湯めぐりを始めたという。同年5月から昨年12月まで約1年半かけ、多い日には3軒の“はしご湯”で前橋、高崎から館林まで足を伸ばし、記録をまとめた。

 群馬の銭湯の特色について、抜井さんは「大正や昭和初期に建てられ、空襲などを乗り越えてきた歴史ある場所が多い」と指摘する。単位がキロでなく「貫」の体重計、番台のおばあちゃんが語る、紡績工場の従業員が訪れた時代の昔話…。小さな「民俗資料館」が、路地裏にたたずむ。

 しかし、一方で経営者の高齢化も進み、取材開始から発売までの間に休業・廃業した店舗も掲載32店中4店を数える。「これから数年で、営業を終える銭湯もかなりの数に上るはず。自分のように銭湯経験のない若い世代にも、ぜひ足を運んでみてほしい。温泉や『スーパー銭湯』とは違う、“非日常”の世界が楽しめる」と語る。

 「銭湯大全」はA5版フルカラーの全96ページで、1冊千円。伊勢崎市の飲食店「ほのじ」や県内の一部書店で販売するほか、インターネットのウェブサイト「めっかった群馬」で通信販売している。
by mo_gu_sa | 2010-03-15 02:46 | その他


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