http://www.oita-press.co.jp/featureNews/126353602829/2010_126388865342.html
生活再建、歩み始まる 無償で提供された近くのホテルで過ごす14世帯。そのうちの1世帯が18日、市営住宅に移った。 別府市光町から北西へ約5キロ。市営鶴見住宅の2階の部屋に入ると、新しい畳の香りが広がっていた。付き添った市職員が3Kの間取りを案内する。 「大変ありがたい。気持ちも落ち着く。ここで頑張っていこうと思います」。息子(53)と2人で訪れた女性(79)は安堵(あんど)の表情を浮かべた。 同市は火災発生の翌日、3カ月の家賃免除ですぐ入居できる市営住宅19戸をリストアップ。入居を希望したほかの12世帯も準備を進めている。 被災者には病院に通う高齢者が多く、焼けた保険証は火災翌日に避難所で再発行。当面の生活のためにと、18日には市と日本赤十字社が災害見舞金を急いで届けた。 支援の輪は民間にも広がった。総入れ歯を失った女性(86)がいた。そのことを知った近くの歯科医(59)は「不自由しているだろう」と新しい入れ歯の製作を急ぐ。被災した中学生に「うちの子が使っていた物ですが」と制服や体操服、かばんを届けた人もいる。 毛布、タオル、衣類、米、飲料…。これまで個人や団体から市に寄せられた支援物資は計59件となり、市中央公民館の一室を埋めた。見舞金は55件・約265万円。街頭や商業施設内での募金活動も始まった。 「多くの人に支えられていることを痛感した」「本当に感謝している」。不安の中で、被災者たちはこう話す。人々の温かな心遣いが、気持ちを前に向かせる支えとなる。 「でも、ここは仮の宿。親族みんなが寄れる実家がないと…」。市営鶴見住宅に入居した女性は光町に家を建て直し、あの時の暮らしに戻りたいと願う。 多くの支えで始まった生活は、突然襲いかかった災難から抜け出す小さな一歩。生活再建への道のりは経済的にも精神的にも遠い。 (取材班) 【写真】市営住宅に入居し、市職員(左端)から設備などについて説明を受ける親子=18日、別府市営鶴見住宅
by mo_gu_sa
| 2010-01-19 17:07
| 大分
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