http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20090927ddlk43040365000c.html
◇「観光部門で赤字圧縮を」--古木圭介さん(66) 八代市と鹿児島県薩摩川内市を結ぶ第三セクター、肥薩おれんじ鉄道(本社・八代市)の第2代社長に7月、古木(こぎ)圭介さん(66)が就任した。おれんじ鉄道は九州新幹線鹿児島ルートの開業に伴いJRから経営を切り離され、利用者数低迷に伴う赤字が続く。長く旅行業の世界にいた古木社長に、生き残りに向けた考えを聞いた。【西貴晴】 --就任のいきさつを教えて下さい。 ◆92年から8年間、第三セクターの鹿児島サンロイヤルホテル(鹿児島市)に専務取締役総支配人として招かれ、再建に携わりました。1年半ほど前、今度は鹿児島県から「おれんじ鉄道の次期社長に」と打診された。いったん断りましたが、おれんじ鉄道は住民の足になっているし「死ぬ前に社会貢献を」と思い直して昨年12月に引き受けました。 --おれんじ鉄道とかかわったことは。 ◆いいえ。就任を決めて、まず沿線を見て歩きました。最初はどこも疲弊していると絶望的になりましたが、やる気のある人々や食べ物などいいものが残されていることを知り、なんとか光を当てたいと思いました。 --就任にあたってどんな経営方針を考えましたか。 ◆おれんじ鉄道は通学と通勤利用者が8割を占めています。少子化の中で定期券利用者だけに頼っていても生きていけない。マーケットとなる熊本市や鹿児島市を含めて交流人口を増やすしかありません。観光部門で赤字を圧縮したいと考えました。 --具体的なアイデアを教えてください。 ◆沿線の情報を網羅したガイドブックを作ります。旅行客だけではなくプロの旅行エージェントが使える内容にして、営業セールスに利用する。JR九州やバス会社とタイアップしてパック旅行も開発したい。10月からの組織変更で、新たに旅行部門を設けてスタッフ6人を置きます。 --観光戦略がキーワードですね。 ◆水俣出身の徳富蘇峰や日奈久を訪れた山頭火は文学の話題につながるし、八代の花火大会や沿線各地の温泉ももっと知られていい。沿線の観光資源は本物の魅力があります。 --国やJRからの支援が欠かせないとの指摘もあります。 ◆国や県、沿線自治体の財政が厳しい中で、自助努力がまず必要です。行政ではなく市民自ら頑張らないと。「官」主導の経営では「つぶれない」という安心感を生み、補助金に頼る経営につながります。行政はあくまでサポーターという考えを持っています。まずは全国で「おれんじ鉄道は光っている」といわれる会社にしたい。 ============== ◇プロフィル 鹿児島市出身・在住。ラ・サール中高、拓殖大を経て旅行会社「グローバルユースビューロー」(東京都)に入社した。ヨーロッパだけで渡航歴112回。鹿児島の民放テレビ局でキャスターの経験も。趣味はネパール遠征歴もある登山など。 毎日新聞 2009年9月27日 地方版
by mo_gu_sa
| 2009-09-27 15:01
| 熊本
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