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別府八湯・名人への道:/48 亀陽泉(亀川中央町) /大分

http://mainichi.jp/area/oita/news/20090724ddlk44040534000c.html

 ◇幕末・明治に思いはせ

 衆院解散を目前に控えたある日。長女日向子(4)を連れて亀陽泉(きようせん)に出かけた。この夏休みは、いつ一緒に遊んでやれるか分からない。せめてもの「罪滅ぼし」だった。

 変わった名前の温泉だ。地元の歴史に詳しい龜カメ倶楽部の高橋東洋雄さん(67)によると、亀川村の庄屋で、幕末に勤王の志士をかくまって投獄された経験を持つ高橋敬一の号「亀陽逸人」が起源ではないかという。

 明治維新後は日田県知事・松方正義の元で働いた。1890年、中津江村で起きた一揆の鎮圧に向かい、殉職した。その子廉一は「松方に育てられ、後に坊主地獄の近くで世界で3番目の地熱発電に取り組んだ」(高橋さん)という。

 亀陽泉は1902(明治35)年、現在地に移転。巨大な浴槽で「千人風呂」と称された。近くに住む男性は「子どものころはここで泳いでいた。旅館の客もみな入りに来ていた」と振り返る。65年の建て替えで浴槽は以前より小さくなったが、それでも相当な大きさだ。管理人の陽増美さん(70)は「『広くて入りやすい』とよそから来る人は今でも多い」と話す。

 日向子は鏡の前で踊りすっかりご機嫌だ。筆者が「今年の夏は遊園地に行かれんかもしれんで」と言ったら、こう答えた。

 「仕方ないな。一生懸命働いてな。お父さんが働かんと、みんなご飯も食べられんもんな」【祝部幹雄】

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 ◇亀陽泉(亀川中央町)

 隣接地の泉源(70~80度)と、約200メートル西側の泉源(30~40度)を使う弱食塩泉。2階はステージ付きの集会場や会議室がある「亀陽泉ホール」。営業時間は午前6時半~午後11時半で、立ち寄り湯は100円。定休日は毎月5、15、25日。

毎日新聞 2009年7月24日 地方版
by mo_gu_sa | 2009-07-24 00:00 | 大分


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